浜田県政最初の議会 令和元年12月定例会 一般質問

(一括質問を、一問一答の形に編集しております。答弁の後は、依光の質問になります。)

議長(桑名龍吾君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。
 16番依光晃一郎君。

   (16番依光晃一郎君登壇)

16番(依光晃一郎君)
 お許しをいただきましたので、早速質問をさせていただきます。

 令和元年を締めくくる高知県議会は、浜田県政がスタートする注目の県議会となりました。議会初日の知事提案説明では、浜田知事が県政運営の基本姿勢として、大切な故郷をもっと元気にしたい、多くの若い人が戻ってくることができるような、さらには都会に出ていかなくても誇りを持って定住できるような魅力あふれる県にしたいと述べられましたが、私も同感で、尾崎県政を引き継ぎ発展させていく浜田知事とともに、高知県をこれまで以上に輝かせるべく、県議会議員の一人としてしっかりと議論をさせていただきたいと思います。

 さて、さきの9月県議会では、私は尾崎県政最後の質問者として、一問一答により質問をさせていただきました。私としては、高知県民の評価の高かった12年間の県政運営とはどういったものだったのか、また尾崎正直氏個人の力がなくても高知県庁の組織として引き継いでいけることは何かということについて、少しは明らかにできたのではと思います。尾崎県政の後を受けての浜田県政は、選挙戦を通じての、共感と前進という県民との約束を大切に、組織運営のよいところを引き継ぎ、今後の県政を担っていただけるものと思います。

1 SWOT分析について

 本日の質問の最初は、知事のキャッチフレーズである共感と前進から、まず前進に注目し、質問を進めていきたいと思います。

 尾崎県政の主要政策である産業振興計画については、産業別に数値目標を定め、その目標を達成すべくいろいろな政策を打ち出してきました。毎年毎年のバージョンアップを繰り返すことで精度を上げていましたが、年を重ねるごとに、目標を達成し続けることの難易度が上がってきていると感じておりました。直感的に考えても、100点満点のテストで30点から50点、50点から70点、70点から90点と、それぞれ20点の点数アップを達成しようと考えたときに、30点から50点に上げるのと70点から90点に上げるのでは、同じ20点ではあっても難易度は違ってきます。尾崎県政が高知県を30点の県政から70点に引き上げた県政だとするならば、浜田県政では70点を90点に、さらに引き上げる県政にしていただきたいと思います。

 大きなお世話であろうと思いますが、私が考える70点から上を目指すために必要なことを2つお話しさせていただきます。1つは、今の高知県の状況をいま一度客観的に分析して、新たな突破口を生み出すこと。もう一つは、高知県の潜在力をさらに掘り起こし、官民協働、県民一丸となって前進することです。

 まず1つ目の、高知県の状況をいま一度客観的に分析するというのは、産業振興計画の大前提となった考え方を生み出したと言えるクロスSWOT分析を、浜田知事みずからがバージョンアップさせることです。

 平成31年度版のクロスSWOT分析については、第3期高知県産業振興計画ver.4の総論・産業成長戦略という分厚い冊子の32ページから33ページに別表として、SWOT分析と改革のための8つの基本方向として書かれております。このクロスSWOT分析は、県庁の中では当たり前のものになり過ぎているのか、議会で公式の議論を聞いたことがありませんが、非常に重要なものだと考えております。

 改めて、クロスSWOT分析というのは、高知県の強み、弱み、機会、脅威の4つの項目について、それぞれの状況を分析し、高知県の政策立案に対する方向性を導き出すものです。尾崎県政ではクロスSWOT分析から、3つの大項目に分類される8つの基本方向を打ち出しました。大項目だけ御紹介すると、1、成長に向けたメーンエンジンをさらに強化する、2、成長の壁を乗り越える、3、成長を支える取り組みを強化するの3つです。私は、浜田知事には、このクロスSWOT分析の前提となる項目について御自身のお考えを加えていただき、そのことが産業振興計画の新たな突破口となり、また尾崎県政を超えていくためのエンジンになるのだと考えております。

 僣越ながら、浜田知事がつけ加えるであろう項目を1つ例に挙げれば、知事選挙において、また議会冒頭に、関西圏の経済活力を高知に持ってくるということをおっしゃられていましたので、その関西圏の活力というのは、SWOT分析では、機会という項目の全国的な社会・経済情勢というところに、大阪万博の開催としてつけ加えられるのではと思います。そのほかにも、クロスSWOT分析について、浜田知事としてつけ加えることや修正する部分があるのではと思います。その追加や修正は、浜田県政での新たな政策の特色を生み出す種であり、つぼみとなります。

 そこで、浜田知事は尾崎県政をさらに前進させるために、これまでの産業振興計画におけるクロスSWOT分析に対して、新たにどのような視点を盛り込もうと考えているのか、知事にお伺いをいたします。

   (知事浜田省司君登壇)

知事(浜田省司君)
 依光議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、これまでの産業振興計画におけますいわゆるクロスSWOT分析に対しまして、新たにどのような視点を盛り込もうと考えているのかとのお尋ねがございました。

 産業振興計画の推進やバージョンアップに当たりましては、本県の強みや弱みを常に見詰め直すことが必要であります。これによりまして、社会経済状況の変化を的確に捉えながら、強みをさらに生かし、弱みをも強みに転ずるということが重要であります。このため、毎年度クロスSWOT分析を行いまして、戦略の方向性を導き出し、計画のPDCAサイクルをしっかり回すということに努めてまいっているところでございます。

 このSWOT分析の4つの要素のうち、外部環境でございます機会--オポチュニティーや、脅威--スレットは、本県経済への大きな追い風や逆風になり得るものでございます。例えば機会といたしましては、大阪・関西万博やIR誘致などによります関西圏の経済成長が期待をされております。これを本県の強みである豊かな1次産品や観光、さらには私自身の人脈、経験などと組み合わせることで、関西圏の経済活力を本県に取り込むことができるものと考えております。

 また、今後最も意識しなければならない機会といたしましては、急速なデジタル化の流れがあると考えます。これは、別の見方をいたしますと、本県において第5世代移動通信システム、いわゆる5Gの基盤整備がおくれるということになりますと、デジタル化の流れから本県が取り残されてしまうという、逆に脅威ともなり得るものであります。このデジタル技術を本県の強みである地場産業と組み合わせることによって、世界と戦える地場産業として発展させるということが可能だと考えております。そのため次期計画におきましては、横串を刺す重要な視点の一つとして、地場産業とデジタル技術の融合ということを新たに位置づけまして、各産業分野での取り組みを加速してまいりたいと考えております。

 そしてまた、人手不足という脅威が全国的に一層深刻となってきていると考えます。これを受けまして、次期計画の基本方向の一つに、働き方改革の推進と労働生産性の向上を新たに位置づけようとしております。人手の確保につながる取り組みや、人手不足を補う取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。

 来年度からスタートいたします次期計画の策定に向けまして、今後議論を本格化してまいります。その際は、本県経済をさらなる上昇気流に乗せることができる計画となりますよう、引き続きクロスSWOT分析なども行いながら、戦略の方向性や施策のバージョンアップの検討をさらに進めてまいります。


2 組織運営についてについて

16番(依光晃一郎君)

 次に、浜田県政の行政運営についてお聞きをいたします。

 私は、尾崎知事の12年間の県政運営についてのノウハウを次期県政にも残すべく、さきの9月議会で次のようにお聞きいたしました。尾崎知事は、PDCAサイクル、数値目標、パス回し、5W1Hというようなキーワードで大きな県庁組織を動かしていったと思うが、どういったことに気を配ってきたのかという質問です。

 尾崎知事は答弁で、県政運営では5つの点に気をつけたと述べられ、1、政策において明確な理念を掲げて目標を設定すること、2、数値目標を到達点とゴール、両方含めて設定をすること、3、パス回し、もっと言えばストーリーをつくり、その中でボトルネックを見出すとともに解消し、また牽引役を育てるような政策をつくること、4、政策を展開し、その経済効果を県内全域に波及させるネットワークをつくること、5、イノベーションを生み出すプラットホームをつくること、その上で、つくり上げた政策について、各部署に5W1Hという形で役割を割り振って、PDCAサイクルを徹底することだと答えられました。尾崎県政の成功の秘訣であると感じます。

 浜田知事には、これまでの総務省での経験からも、また議会冒頭に述べられた成果志向の県政運営という言葉からも、浜田知事なりのお考えがあろうと思います。そこで、高知県政について、どういったことを念頭に県庁組織を動かそうとしているのか、知事にお聞きをいたします。

知事(浜田省司君)
 次に、県政運営に当たってどのようなことを念頭に県庁組織を動かそうとしているのかというお尋ねがございました。

 まず、県政運営につきましては、県民の皆様との対話を通じて共感を得ていくこと、課題の解決に向けて着実に前進をしていくこと、この共感と前進を基本姿勢として取り組んでまいりたいと考えております。この共感と前進の県政を実現していくために必要な県庁組織の運営の基本姿勢につきましては、先日職員への訓示の際に5つのキーワードを申し上げました。

 1つ目は、透明性ということであります。県民の皆様に対してしっかりと説明ができる透明性がある県政運営を行うことが、県民の皆様の信頼を得て、共感の県政を実現していくために必要不可欠な最低条件であるというふうに考えております。

 2つ目は進化、英語で言いますとエボリューションであります。社会情勢が変化する中で県民の皆様の共感を得ていくためには、行政の安定性、継続性を大事にしていくということも大事でありますけれども、時代の変化に合わせて行政自身も変わっていく必要がある、この点を特に強調したいということでございます。

 3つ目は使命、英語で言いますとミッションであります。職員一人一人が今の仕事は何のためにやっているのか、どういう形で県民の皆様に役立っているのかということを絶えず自分に問い直しながら仕事に当たる、このことが重要だと考えております。

 4つ目といたしましては、挑戦という言葉であります。前進をしていく、進化をしていくためには、現状を保つだけではなくて、課題解決に向けて、時にはリスクをとって挑戦をすることが必要だと考えます。

 そして、5点目は想像力、これはイマジネーションであります。例えば施策の実行に当たりまして、関係する方々、また県民の方々にどのようなインパクトや印象を持たれるかといったことに想像力を働かせて、先手先手を打っていくということに意を用いていくことが大切だということを申し上げたところでございます。

 これらの5つのキーワードに加えまして、日々の仕事を進めるに当たりましては、私自身、数値目標、期限、行程表、この3つを常に意識しながら、事業の確実な進捗管理を図ることが必要だと考えておりまして、これは引き続き心がけてまいりたいと思っております。

 共感と前進の基本姿勢のもと、申し上げました5つのキーワードを職員と共有しながら、官民協働、市町村政との連携・協調を図りまして、またしっかりと仕事の進捗管理をしながら県政運営に努めてまいります。

3 地域支援企画員の位置付けについて

16番(依光晃一郎君)

 次に、共感と前進についての共感という部分に焦点を当てて質問をさせていただきます。

 浜田知事は、尾崎知事の対話と実行というキャッチフレーズから、共感と前進という言葉をつくり、選挙戦を勝ち抜かれましたが、対話から共感への進化について、私は非常に期待をしております。イメージ的なことを言えば、対話とは知事と県民、行政と民間が向かい合うイメージですが、共感からは隣り合っているイメージが浮かびます。浜田県政には、尾崎県政よりもさらに踏み込んだ形での民間支援や市町村支援をやっていただきたいと思っております。

 尾崎県政は、他県での一般的な行政支援の枠から踏み込んで、民間や市町村支援を進めました。一般的な行政支援というのは、公平性を大切にした広く薄くという支援だと思いますが、尾崎県政では、市町村単独事業であっても、やる気を応援するという形で、いわば狭く厚くという支援を行いました。

 例えば観光分野を例に挙げれば、現在の自然・体験型キャンペーンの核となる施設として、県内各地にキャンプ場が新設、リニューアルされていますが、このことは観光拠点等整備事業費補助金がなければ実現できなかったことだと思います。この補助金は、市町村ごとのニーズに対応するきめ細かな手厚い補助金であると思います。県内の34市町村には、それぞれ異なった事情、異なったニーズがあります。県はその市町村ごとのニーズや事情を酌み取った形で、オーダーメード型の支援をしたからこそ、費用対効果の高い成功モデルを生み出すことができたのだと思います。

 この市町村ごとのニーズや事情について、市町村と県庁の間を取り持つ役割を担ったのが、高知県の7つのブロックに配置された高知県地域支援企画員です。この高知県地域支援企画員制度は、地域地域のやる気を掘り起こし、新たな事業を生み出したり、また市町村との連携にも成果を上げている重要な仕組みだと感じております。

 加えて、平成27年2月定例会では、地域支援企画員とその拠点である県内7つの地域本部が、市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略策定の手助けや、そのためのRESASを活用したデータ分析支援を行うことを県議会で提案し、県と市町村の戦略を一致させることができないかと質問させていただいたことがありました。その際、県が持つ数値目標を県内市町村に割り振る形で、県が市町村に目標を示すことまで提案しました。さすがに難しいということでしたが、お互いの総合戦略の方向性や目標数値を確認する場を設け、連携を進めるという答弁をいただきました。尾崎県政は、地域支援企画員制度を有効に活用することで成果を上げ続けたと言えると思います。

 そこで、浜田県政においては、共感と前進というキャッチフレーズのもと、地域地域の取り組みをさらに応援していくのだと思いますが、地域支援企画員という仕組みを浜田県政ではどのように位置づけていくのか、知事にお聞きをいたします。

知事(浜田省司君)

 次に、本県の地域支援企画員という仕組みをどのように位置づけていくかというお尋ねでございます。

 地域支援企画員は、地域の声を県政に反映させていくことや、県の施策を地域につないでいくことを基本的な使命といたしております。そして、その活動は地域アクションプランの推進を初めといたしまして、例えば集落活動センターの立ち上げや運営支援、さらには市町村のまち・ひと・しごと創生総合戦略や移住促進の取り組みへのサポートなど、多岐にわたっております。

 このような地域活性化の取り組みの推進役となります地域支援企画員の活動に対しましては、市町村や地域の皆様から高い評価をいただいているとお聞きしておりますし、また私も実際にこの数カ月間、県内各地を回る中で、多くの皆様から感謝の言葉、あるいは評価の言葉をいただきまして、大変心強く感じた次第でございます。

 その一方で、今後ますます高齢化や人口減少が進みまして、担い手不足、地域力の低下が懸念をされております。こうした中、産業振興計画を初めといたしまして、県のさまざまな施策をスピード感を持って推進していくためには、これまで以上に、地域支援企画員を通じました地域支援の取り組みを充実強化していくことが必要になっていると考えます。

 こうしたことから、次期のアクションプランにおきましては、地域の中心市街地の活性化の取り組みなど、より地域への波及効果が高い取り組みへの支援を強化してまいるということを考えております。あわせまして、地域での人材ニーズや後継ぎなどの仕事の掘り起こしを、市町村や関係機関と一体となって推進するといったことを含めまして、地域での担い手の確保に向けた取り組みをさらに強化していく必要があると考えております。

 地域支援企画員は、市町村や住民の皆様に寄り添いまして、ともに考え行動しながら、地域の思いの実現や課題解決の後押しをする制度であります。私が県政運営の基本姿勢として掲げました共感と前進をそれぞれの地域で実行していく上で、欠かすことのできない重要な仕組みと考えておりますので、さらにその活動の充実を図ってまいりたいと考えております。

4 龍河洞の再整備について

16番(依光晃一郎君)

 次に、尾崎県政の市町村支援の一例である龍河洞の再整備についてお聞きをいたします。

 この事業は、県の支援でスタートした龍河洞エリア活性化協議会での議論をベースに、再整備が行われました。ちなみに、協議会のメンバーは、龍河洞保存会、龍河洞の商店主、地元住民、株式会社龍河洞みらい、四国銀行、高知県、そして香美市です。この議論から、洞内の照明整備などの第1弾整備計画が完了し、ことし7月19日にリニューアルオープンをいたしました。このリニューアルを受けて、県には今年度の自然・体験型キャンペーンの目玉施設ということで、パンフレットなどでも龍河洞を積極的にPRしていただいております。

 続いて、第2弾の整備として、龍河洞の商店街を含むエリア全体を再整備しようと、4月の協議会では施設整備費10億円の概算費用が示され、整備の優先順位などの詳細を詰めようと議論の場が持たれました。この10億円という整備費には、珍鳥センターや博物館の整備費も含んでおります。

 高知県の支援は事業費の半分が原則ですが、尾崎前知事は龍河洞への思い入れを県議会でも語っておられ、香美市が負担をするのであれば、県も同じだけの負担をするべく議論を練り上げる腹づもりがあったのだと思います。

 他方、香美市の考えは、補助金予算は財政面からも一度に計上するのではなく、費用対効果も見ながら、できるところからやっていくという姿勢です。つけ加えると、この整備内容に関しては、マーケティング会社、銀行も加わった事業計画が前提となっており、施設整備が実現すれば、高知県観光の横綱として過去に年間100万人の観光客を誇った龍河洞ですから、大きな波及効果を生み出すことが期待できます。しかし、現状では優先順位をつけて段階的に整備を進めていきたい香美市においては、来年度予算に想定しているのは2,000万円足らずとお聞きをしています。龍河洞を高知県観光の一つの目玉として一気に整備を進めてもらいたい地元と、思惑が異なっております。

 正直なところ、香美市にもう少しスピード感を持って進めてもらいたいという思いはありますが、もちろん香美市の言い分もわからないわけではありません。一般的に市町村の職員にしてみれば、ただでさえ忙しい業務に加えて、新たな事業を発案し、費用対効果を検証して議会に説明するという業務が負担になることは理解できます。また、新たな事業は新たなリスクを生むわけで、市町村職員としてこれからも働いていく中において、リスクの高い事業の責任者となって失敗したくないと思っても無理はありません。

 こういったことは香美市だけではなく、例えば新たなキャンプ場整備や集落活動センターなどの事業を立ち上げることのできる市町村と、毎年の業務をこなしていくだけの市町村というように、何もしなければ取り組みの差がさらに拡大していくのではと危惧をしております。

 私は、県内の市町村全てが新たな取り組みで地域を活性化できるように支援することも、浜田県政には期待をするところです。とりもなおさず、これまで地域で議論を積み上げてきた龍河洞の再整備については、ぜひ実現させたいと思います。

 ついては、香美市の龍河洞整備支援において、尾崎県政では龍河洞を高知県観光の目玉に育てたいという意思を持って整備していただきましたが、浜田県政においてもその意思を引き継いでいかれるのか、知事にお聞きをいたします。

知事(浜田省司君)

 次に、龍河洞の整備についてお尋ねがございました。

 日本三大鍾乳洞とも言われる龍河洞は、私も何度か訪れたことがございますけれども、全国に誇ることができる貴重な観光資源だと考えます。

 この龍河洞につきまして尾崎前知事は、高知県の自然・体験型観光の4番バッターになり得る、多くの観光客を県外から呼び込む潜在力を持つ本県観光の宝というふうに評されました。この思いのもと、龍河洞保存会や株式会社龍河洞みらい、地元の商店、香美市など、地域の皆様とともに、磨き上げ再生していく決意を持って、龍河洞エリア全体の活性化に取り組まれてきたものというふうに受けとめております。

 こうした関係者の皆様の御尽力によりまして、自然&体験キャンペーンの拠点として、本年7月には洞内を光と音で演出する新たな魅力を加えましてリニューアルをされ、多くの集客につながっておりまして、この点は大変私もうれしく感じております。

 今後も、地域の皆様が目指す30万人観光の実現に向けて、具体的な事業内容の検討が進んでまいります。龍河洞が世界に通用する観光資源として、さらに多くの観光客を呼び込んでいけるよう、私といたしましても引き続きしっかりと取り組んでまいります。

5 社会人経験者採用について

 次に、高知県が取り組んでいる社会人経験者採用についてお聞きをいたします。

 高知県は平成20年から、行政・TOSAという名称で、民間企業での勤務経験などを積んだ職員を採用しようと、受験年齢を引き上げ、34歳までが受験できる試験を実施しました。この試験では、平成29年度までで124人が採用され、現在108人が在籍しており、定着率は87%となっております。また、平成29年からは、さらに受験年齢を59歳にまで引き上げるという、実質的には年齢制限を撤廃した試験にして62人を採用し、現在59人が在籍しております。

 私は、民間の経験を積んだ人材が県庁で仕事をすることは、組織を活性化するという面で非常に有効な手段だと感じております。一方で、行政の仕事には民間企業と違う意思決定のやり方があり、また会計事務などは非常に厳格となっていることから、民間を経験した方が溶け込めるのか心配もしておりました。そういった懸念もあって社会人経験者採用の定着率に関心を持っていましたが、平成20年からの採用者186名のうち、現在でも167名が在職しているということで、定着率89.8%と、私としてはまずまずの数値であると感じております。

 そこで、高知県は社会人経験者採用試験がもたらしたメリットについてどう考えているのか、またあわせて残念ながら離職してしまった方の事情をどう分析しているのか、総務部長にお聞きをいたします。

   (総務部長君塚明宏君登壇)

総務部長(君塚明宏君)
 まず、社会人経験者の採用によるメリットと、離職した職員の事情をどう分析しているかについてお尋ねがございました。

 平成20年度から開始しました社会人経験者を対象とする採用試験は、多様な能力や経験を持つ人材を確保するという観点から導入したものでございます。

 これまで、11年間にわたり採用を行ってまいりましたが、採用した職員が、その行動力を生かして新たな人脈を開拓し、国際的なスポーツ大会のキャンプ誘致につなげたり、旅行業界での経験を公共交通や観光分野での事業推進に生かすなど、それまでの職務経験を通して培った能力や感性が発揮された事例も生まれております。即戦力の確保や組織の活性化などの面でメリットがあったと考えております。加えまして、本県の過去の採用抑制によって30歳代から40歳代半ばまでの職員数が少ないという年齢構成の是正という点でも、メリットがございました。

 また、採用後の離職の状況につきましては、これまで離職した職員は19名であって、議員御指摘のとおり採用者数全体の1割程度にとどまっているところであります。その理由につきましては、大半は他の企業等への転職や、結婚に伴う移転などのプライベートの事情でありまして、やむを得ないものが多いと受けとめております。

 県としましては、職員の離職を防止するためには、採用の段階で、受験者の考える県の仕事と実際の県の仕事とのミスマッチを防ぐことが重要だと考えております。このため平成29年度以降の試験では、通常の面接試験に加えまして、幹部職員等と1対1での採用面接を8回実施いたしまして、県の仕事への理解と適性を見きわめているところであります。このことは同時に、受験者にとりましても県庁の仕事や職員というものが具体的にイメージできる、よい機会になっているものと考えております。

 さらに、採用後においても、会計事務などを学ぶ研修に加えまして、社会人経験者採用の先輩職員との座談会を行い、民間企業と公務職場の違いや県庁のルールを学ぶ機会を設けるなど、実務に関する不安等の解消に取り組んでおります。

 今後とも、社会人経験のある職員が公務職場に定着し、これまでの経験などを生かして県勢浮揚に力を発揮していただけるよう努めてまいります。

6 職場ドックの取り組みについて

16番(依光晃一郎君)

 次に、高知県における職場環境の向上に関する取り組みについてもお聞きをいたします。

 昨今、過労死の問題がマスコミをにぎわせ、鬱病などのメンタルヘルス不調に対する意識が高まってきております。国においても、ストレスチェックを義務化するなど職場環境をよくしていくことで、生産性の向上や離職率の低下への取り組みを支援しております。

 高知県においては、職場ドックに取り組み、ストレス要因を各職場で発見、解決する仕組みの確立と職員間の相互理解を進め、職場コミュニケーションをよくしようと、職場ドックマニュアル改善事例集という冊子をつくり、よい取り組みを県庁内で共有していくことを行っております。お聞きしますと、職場ドックは高知県発祥のネーミングなのだそうです。こういった取り組みは成果が直接見えるものではありませんが、県政を担う県庁職員の能力を最大限引き出し、県民に還元する重要な取り組みであると感じています。

 尾崎県政は職員を叱咤激励し、全力疾走で走らせ疲弊させたということを言う人もいますが、職場ドックのような取り組みが下支えしたことを忘れてはいけません。そもそも自分の能力を最大限発揮して仕事をすることには、充実した毎日と成果を感じられる喜びがあります。そして、その前提にはしっかりとした休息があってこそだと、高知県庁は理解しているのだと感じています。

 浜田県政では、やりがいのある仕事を充実した毎日として働くことができるように、今後も職場ドックの取り組みを進めていただきたいと思いますが、働きやすい職場づくりに取り組んでいく御決意を知事にお聞きいたします。

知事(浜田省司君)

 最後に、今後も働きやすい職場づくりのために職場ドックの取り組みを進めていく決意はどうかという点についてお尋ねがございました。

 本県の直面する困難な課題に真正面から向き合いまして、県民の皆様とともに汗をかきながら取り組んでいくためには、職員が心身ともに健康であるということが大切だと考えております。

 御質問いただきました職場ドックは、職員が人間ドックを受けて自分自身の健康を確認するように、職場も過ごしやすい環境にあるかどうかを職員自身が点検する、そしてストレスが少なく働きやすい職場づくりを目指して取り組む、高知県庁発祥の職員参加型の職場環境改善事業であります。仕事の進め方や職場内で不便だなと思うことを改善することで、仕事の満足感や生産性の向上を図っていく、同時に職員同士の相互理解が進み、職場のコミュニケーションがよくなるといった効果が期待できる、大変すばらしい取り組みであると私も思います。私の34年間の行政経験を踏まえましても、こうした取り組みを実践、定着させることは容易なことではなく、これは他県に誇れる取り組みだというふうに思います。

 近年は、ミーティングの活用やスケジュールの共有化によりまして、時間外勤務の縮減と公務の能率の向上につながる取り組みが行われております。例えば、業務の進捗状況に合わせて役割分担の設定や業務シフトの見直しを行う、また職員が相互に支援を行うことなどが挙げられます。さらに、過去の職場ドックの取り組み自体にPDCAサイクルを回すことで取り組みをさらに改善させた事例、他課の良好事例の横展開、こういった動きも進んでおります。

 今後も、ストレスの少ない安全で快適な職場環境をつくり、職員がその能力を最大限に発揮できるような工夫をしながら取り組んでまいる考えでございます。

 また、私自身が率先をして働きやすい職場づくりに取り組んでいくという決意のもと、職員の取り組みを直接たたえるという意味で、来年2月に開催が予定されております職場ドックの表彰式には私自身も出席をして、職員を激励いたしたいと考えております。

 私からは以上でございます。


7 市町村行政について
(1) 市町村の職員数に関する現状について


16番(依光晃一郎君)

 次に、市町村行政についてお聞きをしていきます。

 先ほどは香美市の事例を取り上げて、県と市が一緒になって政策をつくり上げていく必要性を述べましたが、市町村によっては踏み込んだ政策を打ち出せないのは、財政的な理由に加えて、県と一緒になって事業を進めていく市町村行政職員のマンパワー不足も原因で、そしてこのことは将来的に深刻となっていくのではと危惧をするところです。例えば市町村によっては、新規職員採用において求める人材がとりにくくなっているという現状を聞きますし、高知県庁においてさえ志願倍率が下がり、特に土木技術職や薬剤師、獣医師などは採用が難しい現状ということです。

 県内市町村の職員数は、平成30年には9,449人と、ピークであった平成12年、1万1,625人から2,176人、率にして約19%の減少となっております。市町村職員数の底は平成26年、9,251人で、そこから約200人はふえていますが、南海トラフ地震への対応、相次ぐ自然災害に加え、少子高齢化による新たな行政課題への対応など、業務はふえる一方で、市町村行政のかなめである職員へのサポートは、今後ますます必要ではないかと考えるところです。

 国は、地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針を平成17年3月に示し、市町村職員の定員削減を打ち出しました。この指針は今でも生きており、簡素で効率的な行財政システムを構築するという行政改革は今後も進めなければなりません。しかし、解決すべき課題に向き合う市町村にとっては、団塊の世代など層の厚かった経験豊富な職員が減り、早急に若手を育て上げる必要性が高まっています。

 県は、こういった市町村の職員数に関する現状についてどういった認識を持っているのか、総務部長にお聞きをいたします。


総務部長(君塚明宏君)

 次に、市町村の職員数に関する現状についてどういった認識を持っているのかとのお尋ねがございました。

 県内市町村の職員数につきましては、議員お話しのとおり、国の三位一体改革の影響による厳しい財政状況などを背景に減少してきておりましたが、平成26年以降増加に転じてきております。総務省の定員管理調査で県内市町村の状況を見ますと、一般行政部門や消防部門を中心に増加傾向にあります。これは、地方創生や少子化対策、南海トラフ地震対策を初めとした防災対策など、近年増大する行政需要に対応してきたことによるものと考えております。

 一方で、個々の市町村からは、職種によっては採用試験への応募者が採用予定人員にも満たない場合があることや、合格発表後の採用辞退などにより人材の確保に苦慮しているという声もお聞きしているところです。

 今後、市町村において必要な人材を確保していくためには、採用試験における年齢制限の緩和や年度途中での採用、インターンシップ制度の導入など、より工夫を凝らしていくことも必要ではないかと考えております。あわせまして、研修の充実などによって、今後市町村行政の中核を担うこととなります20代、30代の職員を、組織としてしっかりと養成していくことも重要であると認識しております。

(2) 市町村職員の採用試験を共通化について

16番(依光晃一郎君)

 関連して、市町村職員の採用についてお聞きをいたします。市町村の採用に関しては県内34市町村ごとに課題があると思いますが、特に郡部の小さい市町村では、採用に関する課題が大きくなっているのではと思います。

 受験する側からいえば、例えば県庁が第1志望、高知市が第2志望、その他の市町村は日程が合えば受験ということもあろうかと思います。ちなみに、高知県の1次試験の試験日は、ことしは上級試験が6月23日、初級試験が9月29日、高知市も同じ日程となっております。また、高知市以外の市町村については試験日がばらばらですが、9月22日は11市町村、10月20日は8市町村が1次試験の試験日となっております。高知県庁と高知市以外のほとんどの市町村とは、試験日が異なることから併願が可能で、結果として市町村への就職を辞退し、高知県庁に入るということも多いようです。加えて、高知県警が9月29日と10月20日ということで、公務員試験に関する試験日は重なる傾向があります。

 私は、公務員という仕事は非常に重要な仕事であって、志があり適性と能力がある方は、適材適所で、高知県及び市町村の行政職として活躍していただきたいと思います。一方で、試験日が重なっていることは、第1希望、第2希望ではないかもしれないが、合格すれば就職する意思があるという方への門を閉ざしてしまうということも感じます。

 私は、高知県の市町村職員採用の1次試験は共通試験とすることで、各市町村の事務負担を軽減し、また試験日が重なってしまうことで受験を諦めるということに対する対策になり、多くの能力ある人材に高知県内の行政職員として活躍してもらうことにつながるのではと思います。

 そこで、高知県内の市町村職員の採用1次試験を共通化することによる、よい面、悪い面をどのように考えているか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)

 次に、市町村職員の採用1次試験を共通化することによる、よい面、悪い面をどのように考えているかとのお尋ねがございました。

 市町村職員の採用試験の日程は、それぞれの市町村が決定するものではありますが、専門的な機関が作成した同じ問題を活用している団体が多いことから、1次試験の日程が重複しているという実態がございます。

 議員からお話のありましたように、1次試験を共通とし、2次試験を各市町村において日程が重ならないよう個別に実施するとした場合には、次のようなメリットや課題が考えられると思います。

 まず、メリットとしましては、市町村にとっては、1次試験に係ります問題の準備や試験案内の作成、会場の手配などの事務の省力化が図られます。また、受験者にとっては、受験機会が大幅に拡大し、より多くの市町村を選択肢とすることができることとなります。

 一方、課題としましては、市町村にとっては、2次試験受験者の増加による事務の増大や、他の市町村の合格決定に伴う採用辞退者の増加につながることが考えられます。これによりまして、採用予定人数を確保できないケースが生じることや、成績上位の人材が一部の市町村に偏ることなどが懸念されるところであります。

 いろいろ申し上げましたが、言うまでもなく、試験方法を変更する場合には市町村同士の合意が必須のものとなります。また、職員の採用は、組織のみならず、その地域の将来を左右するものであります。したがいまして、試験方法も含め採用のあり方につきましては、それぞれの市町村において日ごろからよく検討していただく必要があると考えております。

(3) 市町村が抱えるマンパワーや専門職員の不足について

 次に、高知県と市町村が連携して課題に向き合っていくための仕組みづくりについてお聞きをいたします。高知県は市町村の業務を支援するために、こうち広域行政推進プロジェクトを立ち上げ、市町村の希望を聞いた上で事務ごとにワーキンググループを設置し、共同処理する具体的な事務の洗い出しを進めております。そして、介護保険サービス事業所の実地指導、ごみ処理、航空写真の撮影、固定資産税の家屋評価、行政不服審査会の5つの分野で議論を進めています。これらの事業は専門性が高い分野で、知識と経験を持った人材が必要にもかかわらず、市町村の単位では配置できず、また頻繁にある業務ではないため、市町村が助け合って取り組んでいくことが有効であると思います。

 私は、平成29年2月定例会で、市町村には建築に関する専門的な知識を持った職員が少なくなってきている現状を取り上げ、市町村が策定した公共施設等総合管理計画などの立案や、建築物の建てかえに対して、しっかりとした住民サービスが行えるのかという問題提起をさせていただきました。県からは、市町村の建築工事の発注に必要な情報収集を支援するために、営繕業務に関する県と市町村の担当者会議を開催したいと考えておりますという答弁をいただいたりと、市町村支援についても積極的なサポートを行っていただいております。

 しかし、こうち広域行政推進プロジェクトの検討テーマとなっている、介護保険サービス事業所の実地指導という福祉に関する専門職など、多くの分野で専門的な人材が不足している現状がまだまだあるのだと思います。また、市町村職員の年齢構成が若くなっていることや業務を経験した方の退職などにより、知識が十分でないままに担当となって、相談する先輩もおらず御苦労されている市町村職員の実態があるのではと感じます。

 行政には民間への指導監督という業務が多くありますが、例えば、指導監督する側は配置されたばかりの若手職員で、指導監督される側の民間企業は経験豊富な経営者という状況が多く発生しているのではという予想です。経験の浅い若手職員は、なれない業務にプレッシャーを感じますし、民間企業の方も、行政からの指導であれば、間違った指導であっても事を荒立てたくない意識が働き、泣き寝入りすることもあるかもしれません。どちらにとっても不幸な状況であると心配をするところです。

 私は、このような問題に対応していくためには、市町村が業務を行っていくに当たってどのようなことが課題となっているのか、またどのようなことに苦労をしているのかといったことを把握し分析した上で、例えば経験の浅い若手職員については研修制度を充実させていくことや、事務を処理するに当たって高い専門性が求められるものの、件数が少なく日常業務では専門性を高めることが難しい業務については、広域連携の枠組みで対処していくことなども重要となってくるものと考えております。

 そこで、このような市町村が抱えるマンパワーや専門職員の不足といった課題について、高知県としてどのように取り組んできたのか、また今後どのように取り組んでいくのかについて総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)

 次に、市町村が抱えるマンパワーや専門職員の不足といった課題について、どのように取り組んできたのか、また今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。

 市町村のマンパワーや専門職員の不足といった課題に対しましては、議員のお話にもありましたとおり、職員個々の能力向上に向けた研修の充実や広域連携の推進が重要でありますことから、県においてもさまざまな支援を行ってきたところであります。

 まず、研修について申し上げますと、講師の派遣や県との合同開催、さらにはれんけいこうち広域都市圏の枠組みを活用した研修事業への財政支援などを行ってきたところです。こういった支援に加えまして、今後は市町村において専門的な知識の習得の必要性が高まると考えられます、行政サービスのデジタル化などの分野の研修支援についても拡充していきたいと考えております。

 次に、広域連携の推進につきましては、市町村単独では処理案件がほとんどない事務や、専門的な知識や経験を持った人材の確保が難しくなっている事務などの共同処理を進めるため、県が主体となって今年度から、こうち広域行政推進プロジェクトを開始したところです。初年度となる今年度は、市町村の希望を伺った上で5つの事務を選定し、県と市町村の職員で構成するワーキンググループを立ち上げまして、現状や課題の把握、共同処理に向けた検討を進めてまいりました。この結果、例えば行政不服審査に関する事務については、県への委託という形で事務の共同処理に向けた具体的な手続を進めているところです。また、固定資産税の家屋評価に関する事務については、希望する市町村でモデル的に共同処理に向けた検討を進めることとしたところであります。

 今後は、こうしたモデル的な取り組みを横展開していくとともに、さらなる広域連携推進のため、全国の先進事例を紹介し、加えて県からも積極的に提案を行いながら、新たなワーキンググループの設置にも取り組んでまいります。

(4) 県から市町村への人的サポートについて

16番(依光晃一郎君)

 次に、県と市町村の人事交流についてお聞きをいたします。高知県では令和元年10月1日時点で、市町村や地域の観光協議会などに対して、38人の県庁職員を派遣や割愛により人事交流させているということです。また、市町村からは35人の交流を受け入れており、相互の交流が進んでおります。お聞きすると、10年前は10人くらいだったということですので、3倍以上になっています。こういった交流人事は、市町村にとっては、職員を高知県に派遣することで、広い視野で仕事を見る機会が得られる職員研修となりますし、県庁からの派遣受け入れは、即戦力を受け入れることで、マンパワー不足でできなかった、例えば産業振興に関する事業立案などを大きく進めることができます。

 私は、市町村の将来的な住民サービスについて、これまで多かった定型業務はITなどの活用によって小さくなっていき、過疎・高齢化に向けた課題を解決するための、例えば集落活動センターを立ち上げるというような業務が大きくなっていくのではと感じております。つまり、小さい市町村ほど課題がふえるのに、経験豊富な職員の数はふやせないという状況から解決の事業に手が回らず、ますます疲弊するということが想像できます。

 こういった市町村を救うには、相互派遣というよりは、県庁からの派遣のみで対応することも考えなければならないと思います。実際に、大川村、本山町、そして最終処分場への対応で佐川町に県庁職員が、相互派遣ではない県庁からだけの形で派遣をされております。私は、小さな市町村が採用に苦労してきている現状から、将来的には、小さい自治体は職員の定数を満たすことができず、県庁からの派遣がなければ業務が滞るという事態が起こるのではと思います。

 国もそういったことも考えた上で、市町村合併を過去に進めたのだと思いますが、平成の大合併で合併しなかった町村が今後合併するとはすぐには考えられず、これまでの住民サービスを維持するためには、派遣だけではない形での市町村への人的サポートについても考えていかなければならないと思います。

 そこで、県から市町村への人的サポートについてどう考えるか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)

 次に、県から市町村への人的サポートについてのお尋ねがございました。

 まず、県と市町村が互いに職員を派遣する職員交流につきましては、双方の職員の人材育成を図るとともに、相互理解と連携・協調を促進し、地域の振興と発展につなげていくことを目的として実施しているものであります。

 次に、議員のお話にありました、相互の交流ではない形での市町村への職員派遣につきましては、産業廃棄物の最終処分場整備に伴います周辺安全対策や地域振興策の調整のために、佐川町に職員を派遣しているケースのように、その地域における県の重要プロジェクトを推進する場合に行っているものであります。

 また、派遣ではない形の人的サポートとしましては、市町村とともに地域の課題解決に取り組むため、産業振興や南海トラフ地震対策を推進するための地域本部などを設置し、職員を配置しております。

 このほか、先ほど申し上げたように、市町村のマンパワーや専門職員の不足といった課題に対応するため、市町村職員を対象とする研修への支援や広域連携の推進にも取り組んでおるところであります。

 市町村への人的サポートを含めました都道府県と市町村との連携につきましては、本年7月の政府の第32次地方制度調査会の中間報告におきまして、都道府県職員による技術支援や専門職員の共同研修の実施、都道府県と市町村の事務の共同執行など、さまざまな具体策を挙げた上で審議に着手することとなっております。一昨日には同調査会の専門小委員会が開催されておりまして、例えばその資料の中では、本県の地域支援企画員の事例なども取り上げられているところであります。

 今後、この審議の状況もよく注視しながら、また紹介されております他県の事例などもよく研究しながら、引き続き県内市町村の支援に努めてまいります。

(5) システムの共同利用、自治体クラウドの導入について

16番(依光晃一郎君)

 次に、市町村の業務の効率化についてお聞きをいたします。高知県は、行政事務の効率化と県民サービスの向上などを目指した、高知県行政サービスデジタル化推進会議を設置し、県庁各部局での洗い出しを進めております。一方で、高知県の市町村においても同じ課題があり、行政サービスのデジタル化には取り組んでいることと思います。

 しかし、市町村が独自にサービスを検討し、単独の市町村で導入するというのでは、高知県内全体を見れば非効率で、むしろ先ほど述べた、こうち広域行政推進プロジェクトなどで検討して、システムの共同利用や自治体クラウドを導入するということができないかと思います。また、このことで、市町村ごとにやり方の違う住民サービスの共通化が促進され、市町村の広域連携を促進し、例えば豪雨災害でマンパワー不足になった市町村に、被災していない市町村の職員が応援に行くということも、システムが共通している分スムーズに助けられることにもなります。

 また、教育委員会では、県内の公立小中学校を対象に校務支援システムの運用がスタートすることからも、その効果は実証されていると思います。加えて、他県の事例では、香川県の丸亀市、多度津町、善通寺市、琴平町、まんのう町が中讃広域行政事務組合を形成し、ごみ処理や納税関係のサービスを共同化している事例がありますし、ほかにも住民情報、税務、保険、年金、防災システムなどの分野でも、共同化の事例が全国各地にあるようです。私は、導入のハードルが低く費用対効果の高い業務の洗い出しや、県外の事例を研究することからスタートさせればよいと思います。

 そこで、高知県の市町村業務の効率化を支援するため、システムの共同利用、特に自治体クラウドの導入を高知県が音頭をとって促進していくお考えはないか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)

 最後に、市町村業務の効率化を支援するシステムの共同利用の促進についてお尋ねがございました。

 複数の市町村によります業務システムの共同利用、特に自治体クラウドの導入は、参加市町村の業務の効率化に加えまして、運用コストの削減、データセンターの活用による情報セキュリティー水準の向上など、さまざまなメリットがあるところです。このため県といたしましても、先進事例の紹介や参加市町村間の協定内容の調整など、自治体クラウドの導入に向けた支援を行ってきているところであります。

 現在、県内には2つの協議会、8市町が自治体クラウドを導入しているところです。加えまして、今年度7市町村が新たに協議会を設立しまして、来年4月の自治体クラウド導入に向けて調整作業等を行っているところでありまして、今後さらに1村がこの協議会に加入の予定であるとお聞きしているところであります。

 引き続き、自治体クラウド導入に向けて、県としても積極的に役割を果たしてまいりますが、今後は市町村間の共同利用にとどまらず、県が開発していく電子申請システムやオープンデータを一覧の形で閲覧、検索できるようにするカタログサイトなどにつきまして、市町村との共同利用ができるように検討を進めてまいります。

 県では、あらゆる行政サービスのデジタル化に取り組んでいるところでありまして、市町村も含めた県全体でデジタル化がより一層進むよう、市町村と情報共有を図りながら、しっかりと連携して取り組んでまいります。

(6) 広域周遊観光におけるポイント発行システムについて

16番(依光晃一郎君)

 最後に、れんけいこうち広域都市圏についてお聞きをいたします。本県では、平成30年3月28日に高知市と県内33市町村によって、れんけいこうち広域都市圏の形成に係る連携協約が結ばれ、高知県も高知市と、れんけいこうち広域都市圏の取組の推進に係る連携協約を締結しております。目的は、人口や都市機能が集中、集積する高知市の持つマーケットや、人や物のハブ機能等を生かした取り組みを進めるとともに、県内全市町村が一体となって人口減少、少子高齢化の克服に向け、強みや特色を生かした魅力ある都市圏の形成を目指すというものです。

 私はこの連携事業の中で、特に広域観光推進事業に注目しております。その内容を見ると、ビッグデータを活用した観光客動態調査をもとに、ターゲット等に応じた効果的な商品開発やプロモーションを圏域市町村で連携して行うとあります。

 そこで、先進事例として私が御紹介したいのは、宮城県気仙沼市が導入したクルーカードです。クルーカードは、1ポイント1円として利用できるポイントを発行し、気仙沼市内の加盟している飲食店、物産店、宿などで、ためたり使ったりできます。また、ネットショッピングにも対応し、ヤフーショッピング、伊勢丹オンラインストア、大丸松坂屋オンラインショッピング、三越オンラインストア、ヤフートラベル、じゃらんnetなど、有名なネットショップとも連携をしております。加えて、今月からはスマートフォンアプリも導入し、気仙沼の観光スポットやイベント、お勧めの店が探せたり、ナビ機能で簡単、便利に目的の場所まで行くことができます。

 私がなぜこの事例を紹介するかといえば、尾崎県政で最も成果が上がったとも言える観光分野をさらに伸ばすためには、新たな挑戦が必要だと感じるからです。この事例は、気仙沼のファンをふやし、そのファンにカードを発行することで購買層としてしっかりと囲い込み、地産外商のデータベースを構築しているところがすぐれております。情報化が進展する中での商売では、顧客の囲い込みをいかにするかが決め手で、例えばキャッシュレス決済の分野では、決済手段のシェアを奪い合う会員獲得競争が激化しております。

 高知県での導入を考えた際には、このようなポイント発行システムの仕組みとともに、他県に先駆けた事業として定着した龍馬パスポート事業を加味した仕組みとすれば、より効果が生まれるのではないかと思います。龍馬パスポートは導入から7年がたち、県内の観光施設や飲食店、道の駅などとの連携も進んでいますので、スマートフォンアプリの導入もアイデアとしてこれまであったのだと思います。
 気仙沼市のクルーカードは気仙沼観光推進機構が事業主体で、気仙沼市、宮城県気仙沼地方振興事務所、気仙沼観光コンベンション協会、気仙沼商工会議所などから成る組織で、行政もリスクをとった事業であるとも言えます。

 そこで、れんけいこうち広域都市圏において、高知ファンの囲い込みと顧客データ構築の仕組みをつくることが望まれるわけですが、れんけいこうち広域都市圏における広域周遊観光の取り組みとして、気仙沼市のクルーカードを参考にしたポイント発行システムを広域都市圏に対して提案するつもりはないか、加えてこうした提案とともに、県として龍馬パスポートの電子化も視野に入れた研究をしてみる考えはないか、観光振興部長にお聞きをいたしまして、私の1問といたします。

   (観光振興部長吉村大君登壇)

観光振興部長(吉村大君)
 れんけいこうち広域都市圏へのポイント発行システムの提案と、龍馬パスポートの電子化についてお尋ねがありました。

 れんけいこうち広域都市圏では、現在高知市から県内各地へ観光客の周遊を促進するため、観光客の動態調査の結果をもとに、複数の広域周遊ルートを開発する取り組みが進められています。

 議員のお話にありましたポイント発行システムの仕組みを活用しますと、利用者による消費の拡大に加えて、利用者がどこに立ち寄り何を購入したかなどのデータが効率的に把握できますことから、このデータを効果的な周遊ルートづくりに役立てることができます。あわせて、龍馬パスポートを使って周遊しますと、観光施設の入館料の割引や、ステージアップ時の賞品といった特典も得られますので、これらによって周遊観光の魅力向上やリピーター化にもつながると考えられます。

 れんけいこうち広域都市圏への事業化提案につきましては、手順として、まずは高知市と県との間で提案内容を協議することとなっていますので、その場において、県からポイント発行システムと龍馬パスポート事業の活用を提案したいと思います。

 また、龍馬パスポートの電子化につきましては、平成27年に実施した利用者へのアンケート調査で、約9割の方が冊子にスタンプを押印する現在の方式を望まれていましたが、先ほどの高知市を初め、れんけいこうち広域都市圏との協議内容も踏まえながら、電子化による効果や費用面の検証など、さまざまな観点から研究してまいりたいと考えています。

16番(依光晃一郎君)
 御答弁ありがとうございました。

 最後のポイント発行の観光に関すること、前向きと受けとめましたので、積極的に頑張っていただきたいと思います。

 今回の質問は、浜田知事に初めて聞けるということで、私自身は浜田知事の総務省の御経験を聞きたいなと思っておりましたが、SWOT分析の部分であるとかいろんな部分でそういうのが見えて、新しい県政になるんだなということを思いました。

 それと、訓示において、私はちゃんと聞いておらんかったんですけれども、5つのキーワードを出されたということで、納得の訓示をされたんだなあということも感じました。
 それで、組織運営についての部分でも、また職場ドックのことについてもいい御答弁をいただいたわけですが、1つだけ私は再質問させていただきたいのが--いろいろな自治体を見てこられた浜田知事だと思います。私は、尾崎県政を支えたのは、高知県の職員さんがすばらしい能力を発揮されたからだと思っております。

 なかなか答えにくい答弁になろうかと思いますけれども、高知県の職員さんに初めて接して一緒にいろんな議論をされた中で、高知県職員さんが他県の職員さんに比べてどうかというのは言いにくいかもしれないですが、何か思うところがあればおっしゃっていただければと思います。

 第2問とします。


知事(浜田省司君)
 高知県庁の職員の皆さんを他県と比べてどうかという御質問でございます。

 私自身は、ほかの都道府県、3つ4つ経験をしておりますけれども、決して他の府県の職員に劣ることなく、非常に真面目に、かつ誠実に仕事をしていただける、頑張っていただいているというふうに思います。かつ、今お話のございました、ここ12年間、尾崎知事の非常に強力なリーダーシップのもとで--特につぼに係った部分に関しましては、尾崎知事の仕事ぶりが、いわば非常に手抜きをされない仕事だと私は受けとめました。そういう中で非常に鍛えられた部分も含めまして、非常に県庁の職員のスキルは上がっているし、今からさらにこの職員と一緒に、しっかりと高知県勢の浮揚に向けて仕事をしてまいりたいという決意でおります。

16番(依光晃一郎君)
 鍛えられた県庁職員さんとともに輝ける高知県をつくっていただきたいと思いますし、我々議会もいろんな提案もさせていただきながら、政策を練り上げることに力を尽くしたいと思います。

 以上で、一切の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

議長(桑名龍吾君)
 以上をもって、議案に対する質疑並びに一般質問を終結いたします。

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