自然体験型観光・行政改革の取り組みについて 平成31年2月定例会(一問一答)

議長(土森正典君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。
 依光晃一郎君の持ち時間は60分です。
 16番依光晃一郎君。

1 自然体験型観光と指定管理者制度について
(1) 自然体験型観光における県外企業との連携について


16番(依光晃一郎君)
 本日は、自然・体験型観光キャンペーンに関連して、指定管理者制度を中心に質問させていただきます。皆様お疲れのこととは思いますが、よろしくお願いいたします。

 高知県は2月1日より、自然・体験型観光を目玉とした「リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~」をスタートさせました。私は、この取り組みは高知県の強みである自然と食、そして魅力ある土佐人に触れてもらうということで、大いに期待をしております。また、知事もおっしゃっているように、人口減少が進む自然いっぱいの集落にとって、山や海、川を生かしたアウトドアの旅行商品をつくるなど、新たなビジネスチャンスにもなるのではと期待をするところです。

 しかし、この自然を生かしてお客さんを呼び込みお金を落としてもらうことは、並大抵のことではありません。これまでも、高知県内の市町村によるキャンプ場や宿泊施設整備の取り組みがありました。しかし、過去に整備された施設が今でも人気施設かというと、そうではないのだと思います。時代に合わせ、新たなニーズを持った今の観光客が満足できるような取り組みが必要です。そのために、過去に整備された施設をさらにパワーアップさせるためにも、リニューアルが不可欠です。

 そんな中、高知県内では、大手アウトドアメーカーの協力を得た形で、新たな施設整備が3つの市町で進んでいます。具体的には、大阪市に本社のあるモンベル、新潟県三条市に本社があるスノーピーク、この2社との協力関係です。本山町はモンベルの協力を得て、アウトドアヴィレッジもとやまというレストラン、宿泊施設などの複合拠点を整備しております。越知町は、スノーピークおち仁淀川キャンプフィールド及びスノーピークかわの駅おち、土佐清水市は、スノーピーク土佐清水キャンプフィールドを、それぞれスノーピークの協力を得て整備しております。

 私は、高知の自然は全国的に見てもすばらしいと思っています。しかし、日本中に美しい自然があり、他県のライバル地域も努力をしています。ですから、高知の魅力を最大限アピールするために、全国に実績ある企業のプロデュースによってセンスのある施設をつくっていくことは、とてもよい取り組みであると思います。

 まずは、高知県の自然・体験型観光において県外企業と連携していくことによる効果について知事にお聞きをいたします。

知事(尾崎正直君)
 この自然・体験型観光キャンペーン、これを2年間進めていく中において、高知において自然・体験型観光の地力というのを大いに高めていきたいと思います。そしてそのためにも、地元の皆様方とコラボする形で、全国区、もっと言うと世界レベルでのノウハウを持つ民間企業の皆様方との連携を深めていくことは有効なことだと思っています。そのことを通じて、言うまでもないことですが、全国区、世界レベルに通用する新たな付加価値をつけることができる、それが県外からの誘客につながると、ライバルが多い中においても県外から高知に対する誘客につながるということになるんだろうと思います。また、そもそもそういうノウハウを持っておられる民間の企業の皆様方は、独自のネットワークをお持ちであります。そのネットワークの中に高知のそれぞれの土地を組み込んでいくことができる、このことは、確実な誘客につながるという点において有効だと思います。

 ノウハウの獲得、ネットワークの獲得、両方の面から、全国区レベルでのノウハウの獲得、ネットワークの獲得、それをなし遂げていくためにも、ぜひこの自然&体験キャンペーンの中において、民間の企業の皆様方との連携というのを、地元の皆様と同意し、また巻き込んでいく、一緒に取り組ませていただく形で行わせていただきたいと、そういうふうに思っています。

(2) 本山町の観光施設整備事業への支援内容について

16番(依光晃一郎君)
 次に、モンベルやスノーピークのプロデュースによって生まれた新たな施設整備について、県は市町をどう支援したかについてお聞きをいたします。こういった取り組みは、市町村と民間企業のニーズが一致した場合に実現するのだと思いますが、私は市町村長のリーダーシップがとても重要であると考えています。

 例えば本山町では、平成27年にアウトドアの里づくり拠点事業基本計画をつくり、28年に実施設計、29年から建設に着手して、ことしオープンというタイムスケジュールです。基本計画からモンベルがかかわっているのですが、実施設計委託料で5,142万円が、町の予算として県内のコンサルタントに支出をされました。今西前本山町長時代に計画がつくられたのですが、町の予算を支出する以上、住民の代表である議会への説明も必要です。一般的に、地域活性化を目指した施設整備をする際にどれくらいの規模のものをつくるかというのは悩ましい問題です。本山町議会でもランニングコストの議論があり、維持修繕費はどれくらい必要か、指定管理料は幾らが適正かという議論があったとお聞きをしております。また、その議論の中で、温浴施設に関しては当初の計画より縮小したということです。

 よいものをつくれば多くのお客さんの来場が見込まれ、さらに施設利用料を高く設定でき、収益が安定するという考え方がある一方で、これまでの経験から、交通の便の悪い地域にお客さんはそんなに来ないだろうから、予算はかけない安普請でつくるという考え方もあります。政治家として、町の将来のために未来への投資を考えることはすばらしいことだと思いますが、これまでないことを住民に、そして議会に説明していくことはとても困難を伴います。

 そんな中、尾崎県政の産業振興計画は地域のチャレンジを応援する政策でありまして、当然本山町の事業にもあらゆる面からのサポートが行われたのだと思います。

 そこで、高知県は、産業振興計画の地域アクションプランとして本山町の観光施設整備事業を応援し、計画についてもかかわってきたと思いますが、本山町のアウトドアヴィレッジもとやまの実施設計委託業務に関してどのような支援をしたのか、観光振興部長にお聞きをいたします。

観光振興部長(吉村大君)
 県では、アウトドアヴィレッジもとやまを、嶺北エリアにおける集客の規模や経済効果の創出という観点から、嶺北エリアの観光拠点施設に位置づけまして、実施設計委託業務に対して、補助率3分の2の補助制度により財政支援を行っております。

16番(依光晃一郎君)
 この計画を最初に聞いたときに、本当に大丈夫かなというようなこともあったんですけれど、まさに今の自然・体験型観光キャンペーンの本当に目玉になったんだと思います。そして、先ほど知事からも御答弁があったように、世界的な企業と連携するということは本当に有意義なことです。お客さんがどれくらい来るだろうといって議会とかでもむと、やっぱりどんどんどんどん縮小していくような感じがあると思うんですけれど、県のほうが応援したということが今回いろいろな意味で議会に対しても応援になったし、まさに知事の産業振興計画の中でやられたんだと思いますし、よくぞ支援していただいたと感謝を申し上げたいと思います。

(3) 株式会社モンベルとの包括協定に対する期待について

 次に、モンベルとの包括協定についてもお聞きをしたいと思います。高知県においては、民間企業の持つネットワークや知見を県の取り組みに生かすことなどを目的として、包括協定を推進していると思います。そうした中で、今回の本山町とモンベルとの関係を一つのきっかけとして、高知県とモンベルとの包括連携協定が昨年の4月に締結されたのだと思っております。先ほど、観光分野での県外企業との連携について御答弁をいただきましたが、大手企業との包括協定では、さらに広く協力を得られることがあるのではないかと考えます。

 そこで、今回のモンベルとの包括協定では、観光分野以外に企業に対してどのようなことを期待しているのか、産業振興推進部長にお聞きをいたします。

産業振興推進部長(井上浩之君)
 株式会社モンベルとは、自然体験の促進による環境保全意識の醸成や健康増進に関すること、子供たちの生き抜いていく力の育成に関すること、そして防災意識と災害対応力の向上に関することなど、7つの項目で協定を結んでいます。

 この協定に基づく具体的な取り組みとして、子供たちの生き抜く力を育成するためのテントなどアウトドア用品を活用した実践的な防災教育への支援や、また県内で大規模災害が発生した際のモンベルのネットワークを生かしたテントや寝袋といった救援物資の提供など、企業の強みを生かすとともに、本県の課題にも対応する取り組みを期待しているところであります。

16番(依光晃一郎君)
 防災の観点でもということがあって、自分も思いもつかなかったこと、新しいきずなが生まれたということで、本当に嶺北の子供たちにとってもいいんじゃないかなと思うし、地元を誇れるかどうかといったときに、うちはモンベルと防災教育もやっていますということは、本当に子供たちにとってもいい影響があるかなと思いますんで、今後ともそういったきずなを深めていただきたいと思います。

(4) 指定管理者の募集に関する取り組みについて

 次に、民間のノウハウを生かした指定管理という点でお聞きをいたします。そもそも指定管理者制度は、公共施設を行政が直営で運営していたものを、民間のノウハウを生かすことで、より住民サービスを向上させようと導入されました。この指定管理に関しては、本来、よりサービスを向上させようとして導入された制度だと理解しておりますが、実際は、民間事業者を公募で選び競わせることで指定管理料という行政支出を減らしたいという思いが根強いのではと感じます。

 私は、住民の満足度を上げるための指定管理者制度であり、サービス向上を競い合う公募であってほしいと思います。指定管理者制度が始まったのは平成16年ですが、公募をかけるたびに応募する事業者は減って、2回目以降の公募では応募者が現行の管理者のみとなっている事例が多いのではと思います。サービス向上を競い合える公募となるように、抜本的な検討が必要です。

 このことについては2年前の平成29年2月定例会でも取り上げましたが、指定管理者の募集に関する改善についてどう取り組んでいるのか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)
 指定管理者の募集に当たりましては、できるだけ多くの事業者等に応募していただきまして、さまざまな提案を通じて、より効率的に県民サービスの向上につなげていくことが重要と考えております。

 平成29年度以降の改善点といたしましては、議員からの御指摘を踏まえまして、公募の際に利用者サービスの向上を図る提案を募ることとしたことや、当時検討しておりましたサービス改善提案事業の導入をしたところでございます。このサービス改善提案事業といいますのは、応募事業者からいただきました利用者サービスの向上につながる提案について、必要経費として一定額を指定管理代行料に上乗せするものでございます。平成29年度、30年度の2カ年におきまして、サービス改善提案事業の対象である4施設のうち3施設から、施設内のサインの多言語化など具体的な提案をいただいているところでございます。

 引き続き、県民サービスのさらなる向上につながりますよう検証しつつ、対象施設の拡大や活用しやすい形への改善などを検討してまいりたいと思います。

16番(依光晃一郎君)
 ありがとうございます。しっかり取り組んでいただいて、サービスの向上にもつながっているということで、本当に指定管理者制度がうまく進んでいるんではないかなと感じました。

(5) 指定管理における管理代行料の積算について

 次に、指定管理における管理代行料の積算についてお聞きをいたします。管理代行料については、公募が始まった平成16年から10年以上経過し、人手不足で人件費も上がってきていることや、時代に合わせたサービスの変化など、どういった形で積算するかは重要な視点です。

 指定管理者の選定は、施設を管理する県庁の担当課が、5名程度の有識者や利用者代表などから成る審査委員会を設置し、審査項目、配点を定めて、総合得点をもとに候補者が選定され、議会の承認を経て決定となります。審査委員会においては審査項目についての配点が重要で、住民サービスの向上についての項目よりも経費削減の努力に対する配点評価が高ければ、最も大事な住民サービスの低下を招く結果にもなると危惧をするところです。

 また、指定管理を受けた事業者のこれまでの収支を見てみると、経費削減努力にもかかわらず、住民サービス向上に伴うコストアップを吸収し切れず、当初県が積算していた予算設定を上回ったため赤字に陥っている事業者もあります。この管理代行料の積算が運営の実態に合わない状況が続けば、民間事業者にとっては魅力のない事業であることから撤退の可能性もあり、さらに指定管理者の公募で応募がゼロとなれば、県が直接管理する状態に戻ってしまうことにもなりかねません。

 そこで、指定管理における管理代行料の積算について県としてどのように考えているのか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)
 指定管理者が一定の管理代行料の範囲の中でよりよいサービスを利用者に提供できますよう、その積算については必要な経費を適正に反映する必要があり、必要に応じ見直しもすべきものと考えております。

 例えば過去、包括外部監査におきまして、人的体制に関して県と指定管理者双方の認識の差が人件費の差として赤字要因になっている旨の意見があったことも踏まえまして、利用者増に向けた取り組みなども考慮した上で人件費の見直しを行ったというものもございます。このほか、美観向上のために植栽管理に要する経費を新たに積算に加えるですとか、労務単価や物価上昇の状況を管理代行料に反映させるなどの見直しもしてきているところでございます。

16番(依光晃一郎君)
 先ほど、積算と違ったところで民間事業者がお金を足していたというお話があって、改善していただいたということで、包括外部監査も自分は見せていただいて、甫喜ヶ峰森林公園で常勤1、非常勤3で県が積算しておったと、それを受けていた一般社団法人高知県山林協会が常勤2、非常勤2ということで、常勤を1人ふやしていたと。これは何かというと、やっぱり子供たちのキャンプとかそういうところをよくしようということで、ある意味赤字でも心意気でやっていただいたのかなと思っています。やっぱり努力をされている指定管理者の皆さんには報われるほうがいいと思いますし、その方向でやっていただいているということで、本当に感謝をします。

(6) 高知港の指定管理における管理代行料について

 それで次に、先ほどの管理代行料について具体的な事例でお聞きをいたします。高知県の外国人観光客増加については高知新港への外国客船入港によるところが大きく、今後も順調にふえていくのではと期待をするところです。

 一方で、高知港の港湾施設を管理する指定管理者である高知ファズ株式会社への負担が増大しているともお聞きをしました。外国客船が入港した際に対応するのは港湾振興課なのですが、港湾施設の管理を行っている高知ファズも立ち会う必要があり、外国客船が入港する際は埠頭の保安管理業務などへの人件費が増大しているとのことです。外国客船が高知に来てくれることは非常に喜ばしいことなのですが、高知ファズにとっては、外国客船が来れば来るほどそれに対応する業務がふえるということになるそうです。当初から増加した管理代行料については後から追加で県から支払われるとも聞きましたが、外国客船の予約状況などから前年度に経費が予想できる分は、早目の対応をすべきではと思うところです。

 そこで、高知港の管理代行料についてどのように対応しているのか、土木部長にお聞きをいたします。

土木部長(村田重雄君)
 高知港の指定管理につきましては、平成29年度から31年度までの3カ年の管理運営に関する基本協定を、高知ファズ株式会社と平成29年3月に締結しております。その際には、過去の実績をもとに3年間の寄港数を算定し、その受け入れに必要な経費を計上しているところです。平成29年度、30年度は、実際の寄港数がその数を上回りましたので、実績に合わせまして年度途中で協定を変更したところでございます。

 なお、平成31年度につきましては、寄港数が近年増加している傾向を踏まえまして、年度当初から協定を変更した上で対応することとしております。

16番(依光晃一郎君)
 早速対応していただいたということで、ありがとうございます。外国客船というのは本当に高知県にとってありがたいというところなので、しっかりとまたやっていただければと思います。

(7) 県外企業が指定管理者になる場合のメリット、デメリットについて

 次に、指定管理者の選定に関して、地元事業者優先という考え方についてお聞きをいたします。先月、四万十町のオートキャンプ場ウエル花夢に関する指定管理者選定について、選定委員会が候補者に選んだ愛媛に本社のあるオーストラリア観光会社の日本法人企業を、四万十町議会が指定管理者として認めないということで、執行部提案が議会で否決をされました。否決になった理由は、地元の企業でなかったことでした。

 私は、気持ちとしては理解ができないわけではありませんが、先ほどから議論させていただいている、県外企業のノウハウを生かす形での観光施設整備という考え方を支持する立場であって、今回の事例に関しては他の市町村に波及するのではと心配をするところです。住民代表の議員で構成する四万十町議会が決めたことですので私がとやかく言う筋合いではありませんが、先ほどから取り上げているモンベルもスノーピークも県外の企業でありまして、将来、指定管理者として3市町議会が否決するということもあり得るのだと思います。

 私は、地元企業優先が何よりも大事というのではなく、もう少し長期的かつ広い観点から、県外企業が指定管理者となることのメリットも議論すべきではないかと思います。高知県は、公の施設の指定管理者制度に関する運用指針において、応募者の資格要件として地域要件を定めており、地域経済の活性化や県内雇用の確保も念頭にということで、原則県内事業者を選ばなければならないとしております。私は、地域経済の活性化という観点からは、全国展開する企業と結ぶことが県外からのお客さんを呼ぶことができて活性化につながるという観点もあろうかと思いますし、県内雇用という意味でも、地元雇用がゼロとなるわけではないと思うことから、恐れるほどの影響はないのではと考えるところです。また、県外のノウハウを学んで県内企業が成長するという好循環にも期待をするところです。

 高知県は、指定管理者制度において県外企業が指定管理者になることについてメリット・デメリットをどう考えているのか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)
 県外企業が指定管理者になるメリットにつきましては、応募要件を県内企業に限定しないことによる応募者の増のほか、専門的な知見や高いブランド力を持つ企業であれば、そのネットワークを活用した情報発信やノウハウの活用による県民サービスの向上などが期待されるというものがございます。デメリットについては、指定管理料という形で公費が県外に流れることや、県内企業の雇用への影響などが懸念されるというものがあると思います。

 本県の指定管理者の応募要件につきましては、御指摘のとおり県内事業者を基本としつつ、県外事業者が応募する場合には、県内事業者とグループを構成するとともに、指定管理者を開始するまでに事業所を置く場合に限るということといたしまして、デメリットの緩和に努めているところでございます。施設によりましては現行の要件の見直しが必要となることも想定されますことから、他県の状況などいろいろ研究していく必要はあるものと考えております。

16番(依光晃一郎君)
 今回は四万十町の事例を挙げさせてもらったんですけれど、議会が決めたことですので、それは私が言うべきことではないかもしれないんですが、県のやり方を市町村も参考にしてということはあろうかと思いますんで、そこら辺のメリット・デメリットをどう考えるかということも議論を深めていただきたいと思います。何回も言いますけれど、私は、やっぱりブランド力であったりとか新しい知恵であるとか、新しい--東京からかもしれないし--来てくれた方が高知を好きになっていろんな提案をしてくれるというような、いろんな要素があって、総合的に判断してやるべきだと思うんで、そういう点も踏まえてお願いをしたいと思います。

(8) 公共施設において民間活力を生かす場合のアドバイスについて

 次に、公共施設における民間活力の活用についてお聞きをいたします。ここで私は、2つの契約で行うやり方を、民間プロデュース・プラス指定管理という造語をつくって、本山町のアウトドアヴィレッジもとやまの事例を例に説明させていただきます。

 このアウトドアヴィレッジもとやまについては、株式会社モンベルホールディングスが指定管理者として運営が決まっていますが、平成28年に実施設計の契約を結んだ時点では指定管理者となることは決まっていませんでした。わかりやすく言うと、アウトドアヴィレッジもとやまの指定管理者にモンベル以外が選ばれる可能性もあったということです。

 本山町とモンベルは、プロデュースである基本計画の契約と運営である指定管理契約の2つの契約を結んでいますが、私としては、基本計画と運営を合わせた1つの契約としてできなかったのかと思います。私は、今後も、市町村の観光施設を民間ノウハウで再整備し指定管理も引き受けてもらう民間プロデュース・プラス指定管理という方法は、地域経済の活性化につながると考えており、さらに広げていってもらいたいと思います。

 さて、ここまで私の造語におつき合いをいただきましたが、私が言う民間プロデュース・プラス指定管理というのは、要するに行政と民間が連携し、それぞれお互いの強みを生かすことで最適な公共サービスの提供を実現する、PPPあるいはPFIといった手法なんだと思います。内閣府は、官民の適切な役割分担に基づく新たな官民パートナーシップということでPPPやPFIを推奨していますが、県内の事例である本山町、越知町、土佐清水市がやっている事業はこうした手法を検討してもよかったのではと思います。

 今後、県内市町村が民間の知恵を設備投資に盛り込み、その施設の運営についても民間活力を生かそうとする場合に、県としてどういったアドバイスをしていくのか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)
 PPP/PFIの件でございます。県では高知市と連携しまして、公共施設における民間活力の導入手法に関して担当職員の知識の底上げを図り、案件の導入を促進するため、県市のほか産業界、大学、金融機関で構成されます「高知県・高知市連携PPP/PFI地域プラットフォーム」を設置しております。このプラットフォームにおきましては、市町村、県及び民間事業者を対象としまして、法に則した手続の流れや民間事業者の募集・選定手続、公表資料の作成のポイントなどにつきまして情報を提供するセミナーなどを開催しているところであります。

 新年度からは、国が、新たに講師の派遣など地域のプラットフォームを支援する取り組みを開始する予定となっております。こうした取り組みも活用しながら、市町村に対しますプラットフォームのさらなる周知に努めますとともに、相談会を開催することなどによって、事業の検討段階からPPP/PFIの活用を念頭に置くことができるように努めてまいりたいと思います。

 ただ、その際には、施設の種類、性格によりましてはPPP/PFIの導入に不向きなものもあると思われます。そうした留意点につきましても意識してもらうことが重要であると考えております。

16番(依光晃一郎君)
 公共施設を管理するに当たって非常に有効な手段だと思いますけれども、高知県はPFIというとちょっとアレルギーもあるのかなと思いますんで、丁寧に施設ごとの御説明もしていただいて、市町村と連携もぜひ進めていただきたいと思います。

(9) 経営努力により増収となった場合の指定管理者のメリットについて

 次に、指定管理者の応募企業をふやす観点でお聞きをいたします。高知県は、昨年から、観光拠点等需要調査事業ということで、県内市町村が有する遊休地や施設をモンベルやスノーピークなどの観光関連事業者に対して紹介し、新たなビジネスをやりませんかという調査を行いました。私はこの取り組みに大変期待をしておりまして、多くの企業に手を挙げていただきたいと思います。

 しかし、そのためには、これまで議論させていただいているように、市町村長のリーダーシップに加え、住民の皆さん、議会の協力が不可欠です。また、何より企業にとっては事業展開に関するメリット、うまみがなければ、進出はないのだと思います。

 企業にとってのうまみとは、簡単に言えば利益が上がること、また高知で事業活動をすることが企業のブランド力向上をもたらし新たな顧客を得られるなどだと思います。加えて、企業としてのリスクを最小限にするためには、行政との契約も重要です。まずは、指定管理料の額であり、企業が必要とする設備投資に関する行政支援だと考えられます。越知町の事例を挙げると、スノーピークにとっては、キャンプ場の再整備の監修を任され、その整備費は町と高知県の補助金で賄われるということで、自前で土地を構え設備投資をし利益が出るまで辛抱するということをすっ飛ばして、初年度から利益が見込める計画をつくれるというのがメリットです。

 ちなみに、越知町が平成29年10月に公募した募集要項によると、指定管理料は約1,400万円となっております。この金額がどうやって決定しているかといえば、過去の運営実績から求められており、経費に当たる管理業務経費見込み額から売り上げに当たる使用料等収入見込み額を引いて求めた額となっております。つまり、赤字補填の金額が指定管理料という考え方です。結果として、指定管理者であるスノーピークは、指定管理者としてのサービスを越知町にかわってやることから、これまでどおりの運営であっても収支とんとんで事業が行えます。

 さらに、スノーピークの立場に立って利益を出すことを考えれば、稼働率を上げてお客さんの数をふやすこと、そして次に考えるのは利用料金のアップだろうと思います。しかし、利用料金の上限は条例で決まっています。私は、企業が利益を上げ、その利益を高知県で雇用された従業員に給与として還元するのであれば、利用料金の上限を上げるための条例改正も許されるのではと考えております。また、条例の中に、越知町民はこれまでどおりの利用料金に据え置くということを定めることも可能です。

 より多くの事業者に指定管理事業へ参加していただくため、管理運営に係る経営努力によって増収となった場合、指定管理者にもメリットが必要であると思いますが、越知町の事例における取り扱いについて観光振興部長にお聞きをいたします。

観光振興部長(吉村大君)
 越知町が株式会社スノーピークとの間で締結した協定書では、指定管理者による管理運営の経営努力などにより使用料等収入が増収になった場合は、その7割が指定管理者に配分される内容になっています。

16番(依光晃一郎君)
 本当にスノーピークはそういうモチベーションもあって頑張ってくれると思いますし、それがさらなる高知県観光の発展になると思いますんで、利益が出たら管理代行料が減ったりとかという事例もあるんだと思いますけれども、ぜひスノーピークにもメリットがある形でウイン・ウインの関係をつくっていただきたいと思います。

(10) 観光拠点等需要調査事業を通じた企業進出の見通しについて

 また、観光拠点等需要調査事業を通じていろいろな企業ニーズを聞いたと思いますが、今後の企業進出への見通しについて観光振興部長にお聞きをいたします。

観光振興部長(吉村大君)
 観光拠点等需要調査事業を通じまして、本県での事業展開に関心を示したアウトドアメーカーなど5社に、これらの企業の得意分野と現時点で施設整備を検討している市町村のニーズとがおおむね合う現地の施設等を視察していただきました。この視察を踏まえた企業ニーズとしては、例えば、よりアクティブな体験事業を展開する企業は景観よりも地形や広さなどを重視することや、キャンプ場などの滞在型施設を展開する企業は景観や交通アクセスの利便性などを重視することがわかりました。また、企業の進出形態についても、それぞれの経営方針などによって、指定管理者としての運営、施設の監修、業務提携など、さまざまな意向があることが把握できました。

 今回の視察の結果、企業ニーズにかなう施設が幾つかありましたので、視察先の市町村とこうしたニーズなどを共有し、市町村の意向や事業化の見通しなどについて検討いただいており、今後の進め方についての協議、確認もあわせて進めています。

16番(依光晃一郎君)
 自然・体験型観光キャンペーンがどんどん広がっていくような御紹介でした。本当に高知の自然というのは高知県民が実はわかっていないところもあって、よその方が見たら、いろんな企業の知恵も含めてやっていただける可能性もあるということです。何度も述べますけれども、市町村のお考えがまず前提ではありますが、高知の中山間の雇用にもつながることだと思いますんで、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。

(11) 使用目的を失った公共施設の有効活用について

 次に、使用目的がある施設を民間の知恵で有効活用という指定管理者制度ではなく、使用目的を失った公共施設の有効活用についてお聞きをいたします。このテーマも平成29年2月定例会でお聞きをしたのですが、高知県には全国に誇れる事例ができましたので、改めて取り上げさせていただきます。その事例とは、むろと廃校水族館のことです。

 NPO法人日本ウミガメ協議会が指定管理者となっていますが、経緯を調べてみると、室戸市はもともと水族館をつくろうとしていたのではなくて、廃校の有効活用を呼びかけていただけだったようです。そこに、長年室戸でウミガメの生態について研究を続けてきた日本ウミガメ協議会が、標本の収蔵場所としての相談を市長にした際、プールにウミガメを泳がせようというアイデアから、とんとん拍子で水族館ということになったのだそうです。

 日本ウミガメ協議会はたまたま廃校の有効活用募集について知ることができましたが、このような成功事例を広げていくためにも、使用目的を失った公共施設については、施設の詳細な設備の状況や耐用年数などを広く公開し、いろいろなジャンルの民間企業に知ってもらうことで、新たな投資の可能性を広げることができるのではと思います。

 そこで、2年前にも取り上げましたが、使用目的を失った公共施設の有効活用を進めるための取り組みについてどう取り組んでいるのか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)
 2年前の御質問を受けまして、平成29年12月から管財課のホームページで貸付物件の概要を写真つきで公表しまして、広く貸し付け及び利活用の提案を受け付けているところでございます。さらに、幾つかの物件につきましては、関係市町村を訪問しまして利活用の働きかけも行ったところです。その結果、2つの物件で具体的に検討していただきましたけれども、利用方法や設備改修などが課題となりまして、貸し付け等には至っていないというところでございます。

 今後は、産業振興の各地域本部などとも情報の共有を図りまして、より多くの方々から御提案いただけるよう取り組んでまいりたいと思います。

16番(依光晃一郎君)
 前向きに取り組んでいただいているようで、ありがとうございます。お聞きしたら、一部使っているところはホームページにも出ていないということで、共用というようなことの可能性もあるかもしれないんで、そういうことも含めてぜひ御検討いただければと思います。

(12) むろと廃校水族館が成功した理由について

 次に、使用目的を失った公共施設の有効活用という点で、むろと廃校水族館が成功した理由をどう考えるのか、観光振興部長にお聞きをいたします。

観光振興部長(吉村大君)
 むろと廃校水族館には、昨年4月のオープン以降15万人を超える多くのお客様が訪れています。その主な理由としましては、廃校となった施設の活用方法から展示運営に至るまで、民間事業者の創意と工夫が存分に発揮されているからだと思います。具体的には、旧小学校の校舎をほぼそのまま利用して、教室に設置された円形の大型水槽に魚の群れが回遊していることや、手洗い場をタッチングプールとして活用し、海洋生物と触れ合えること、25メートルの屋外プールにウミガメやサメが悠々と泳いでいることなどが挙げられます。

 このように、かつての学び場が水族館として生まれ変わり、入館者が学校の雰囲気を生かした展示の魅力を体感できるというこれまでにない企画が大いに受けていると考えています。

16番(依光晃一郎君)
 本当に知恵が集まっているというか--自分はラジオでお聞きしたんですけれど、プールに対して外国人のお客さんがびっくりするんだと、小さな小学校一つ一つにプールがあるというのは外国にはないそうで、そんなことを驚いたということを聞いて、どこにニーズがあってどういうところに喜んでもらえるかというのも本当にやってみんとわからんところはあるんです。けれど、長年室戸で活動されていた日本ウミガメ協議会さんがやったということがあって、それとやっぱり室戸を何とかしようという思いもあったんではないかなと、まさに志のある民間事業者ではなかったかと思います。

 何か連携をいろいろつくっていくと、そこから思ってもいなかったようなことも生まれるような気がしますんで、ぜひともそういうチャレンジ、可能性を広げることもやっていただきたいと思います。

(13) 香北青少年の家の修繕や新規設備投資について

 次に、県の指定管理施設の修繕についてお聞きをいたします。私は、指定管理者制度については、民間企業にとって努力が報われる仕組みでないといけないと思っております。そのためには、指定管理を受けた企業が利益を出すことに対して行政が否定的になってはいけないし、そこで働く職員さんが頑張っただけの給料を得ることができる仕組みにしていく必要があります。

 誤解のないように申し上げれば、私は利益を管理代行料を引き上げることで生み出すべきと言っているのではありません。そうではなくて、施設の稼働率を上げて利用料収入をふやすことで実現すべきという考え方です。

 香北青少年の家のお話をさせていただきます。香北青少年の家の指定管理者は株式会社香北ふるさとみらいで、この事業者は、日ノ御子河川公園キャンプ場、ザ・シックスダイアリーかほくホテルアンドリゾートの指定管理もあわせて受けており、龍河洞の活性化を担う龍河洞みらいとは、観光まちづくり会社ものべみらいから出資を受ける兄弟会社の位置づけです。

 現状は学校単位などの団体受け入れが中心ですが、近隣の観光施設との連携により、親子連れのファミリー客にも泊まってもらえるような旅行商品を考えていくこともできるのではと思います。

 そこでネックになるのは、お風呂と食事です。お風呂に関しては、老朽化が進み、追いだき機能がないため遅い時間にお風呂に入るとぬるいお湯となってしまうことなどから、リピーターを減らす大きな要因となっているようです。食事に関しても、指定管理の仕様書によって朝食430円、昼食490円、夕食590円と決められており、材料費が上がると赤字になっているようです。

 食事に関しては条例で決まっているわけではないので、民間の知恵を発揮していただき、地元食材を活用するなど、ファミリー客が満足できる食事を提供することができないでしょうか。これまでより高い値段で提供することについては、担当課として適切に御判断いただければと思います。

 あわせて、子供たちが最も楽しみにしている野外でのカレーづくりが、雷注意報が発令されると曇りでも中止になるそうで、子供たちの学びと楽しい思い出づくりという観点からも、炊さん棟の建設は必要不可欠と思います。

 このように、香北青少年の家においては指定管理者の収入増につながる修繕や新規設備投資が不可欠だと思いますが、教育長にお聞きをいたします。

教育長(伊藤博明君)
 香北青少年の家は、利用者から、満足度が高く魅力的な事業を多数実施していると高い評価をいただいております。

 当施設は、青少年の利用を促進するために使用料を安価に設定しており、利用者の増加が指定管理者の収入増につながりにくいため、利用料金制を導入していませんが、さらなる利用促進に向けて快適な環境を整備することは大変重要だというふうに考えております。

 また、当施設は築40年を超え、各所に老朽化による修繕の必要性が生じております。これまでも小規模な修繕は実施してきましたが、指定管理者の要望に十分応える状況となっていないのが現状となっております。

 青少年教育施設の整備については、これまで大規模な耐震改修など、利用者の安全確保を最優先に実施してきましたが、今後は香北青少年の家の既存の炊さん棟や入浴施設も含め、指定管理者の御意見も伺い、老朽化への対応や利用者の満足度向上に向けた整備にも計画的に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 また、利用者に提供する食事の料金や内容については、基本の定食は統一の料金としている以外は、県教育委員会の承認によりまして特別なメニューの提供が可能でありますので、指定管理者による創意工夫により魅力を高めていただくことを期待しております。

16番(依光晃一郎君)
 稼働率のことをちょっとお話ししたいと思いますけれど、やっぱり小中学生が中心ということで波があって、そういうところを何か改善できんかなというのが1つ。それと、先ほど施設整備については前向きなお話があったと思いますんで、やっていただきたいんですが、1つ、利用料収入をできるだけ--今は県に全部入っているような状況だと思うんですけれど、指定管理者にも入るようにしていただくと、軽微な修繕とかは事業者ができるんではないかなと。今の契約の形だと、30万円以上だったら県がやると、30万円以下やったら事業者がやるということですけれど、事業者は収入がないので、修繕しようと思ったら人件費を削るとか食材を削るとかそういうことしかできないんです。軽微な修繕をタイムリーにやると施設の長期の修繕費もかからないということも感じますんで、そこら辺、指定管理者のモチベーションアップというところもぜひともよろしくお願いします。

2 行政改革の取り組みについて
(1) 業務の効率化に対する職員の意識の変化について


 次に、行政改革の取り組みに移らさせていただきたいと思います。

 本議会の知事提案説明において、県として取り組まなければならない仕事が増加し、予算規模が拡大する中、業務を効率的、効果的に行っていく観点、また職員の働き方改革や将来の財政負担の縮減といった観点から、これまで以上に行政改革に取り組んでいく必要があるとの考えが示されました。私は今年度、議会選出で監査委員を仰せつかっており、そこで気づいたことも含めて質問をさせていただきます。

 まず、業務を効率的にという観点で行政の仕事を民間と比べたとき、私が感じるのは、県民サービスの向上のために働いているはずなのに、県民サービスとは関係のない県庁内部向けの業務や書類づくりが多過ぎるのではと感じます。公金を扱うことや意思決定についてのプロセスを明確にすべき必要性からのことだと思いますが、工夫の余地があるのではと思います。

 まず初めに、高知県は平成30年4月に「活力のある職場づくりと公務能率等の向上の実現を目指して」というハンドブックをまとめ、県庁内の業務の効率化に取り組んでいますが、職員の意識がどれだけ変わってきたか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)
 ただいま御紹介いただきましたハンドブックは、平成24年度から取り組んでおります副知事通知に基づきまして、仕事の仕方の見直しの具体例などを可視化して、昨年4月に取りまとめたものでございます。

 職員の意識の変化のあらわれとはっきり言えるかどうかわかりませんけれども、各所属での職員参加によります職場環境の改善に向けた職場ドックの取り組みにおきまして、仕事の仕方や仕組みの見直しに関する取り組みというものが本年度数多く見られたところでございます。例えば、業務におきまして必要な事項を一覧で共有する、やることリストの作成ですとか、会議資料への論点明記のルール化、会議等におけますタイムキーパーの設定など、日々の業務改善につながるものが上がってきておりまして、私としましては、業務の効率化への意識が職員に浸透してきているように感じているところでございます。

16番(依光晃一郎君)
 職場ドックのお話があって、自分も改善が進んでいるんじゃないかなと思いますし、トヨタのカイゼンではないですけれども、小さいことの積み重ねを共有していくことで本当に大きな改善になっていくと思います。

 それと1つ、冊子を見ていて印象的だったのは、ポンチ絵について、余りつくり込み過ぎると業務改善にならんので、使い回しができるものは使い回そうとかそんなことがあって、本当にわかりやすい冊子で、なかなかすごい取り組みをやっているなあと思って感心をさせていただきました。

(2) 仕事の進捗管理に関する情報共有について

 次に、職務の情報共有についてお聞きをいたします。県庁は、組織が大きい分、仕事についての役割分担が明確で、専門性と効率的な執行能力が高いと思います。しかし、明確な役割分担の弊害で、一人が仕事を抱え込み、よそからの問い合わせがあっても担当者しか答えられなかったり、担当者が急に休むことになったら書類やデータがどこにあるかわからないなど、不都合もあるのではと思います。また、定期的な人事異動で担当がかわるため、引き継ぎがうまくいかないと、新しくかわった職員は苦労することとなります。

 各課の上司が部下の仕事内容を把握することが基本でしょうが、全て把握することは大変だと思いますので、各課が組織として助け合える職場環境であったり、仕事の内容をそれぞれの担当外ではあっても知っておけるような雰囲気づくりが重要ではと思います。また、このことは、急な病気や家庭の事情などで休まざるを得ない状況になったときにストレスなく休めるような働き方改革にもつながることだと思います。

 職場内の役割分担を超えた仕事の進捗管理に関する情報共有についてどういった工夫をしているのか、総務部長にお聞きをいたします。

総務部長(君塚明宏君)
 組織としての情報共有の点でございます。例えば人事異動時におきましては、組織として業務を引き継ぐために、一昨年度から異動発表の前に全庁通知を発出しまして、担当者間の引き継ぎの際に担当チーフが同席することなどによりまして情報共有を図るよう徹底をしているところでございます。また、各所属におきましては、年度ごとに担当業務をローテーションすることや、正副担当制などによる役割分担のほか、課内会、チーム会の開催、共通のスケジュール表、こうした活用によって進捗管理を図るなど、情報共有の工夫がなされているものと承知をしております。

 先ほど申し上げました職場ドックの好事例も含めまして、こうした取り組みを全庁的に紹介し活用を呼びかけるなどの工夫をしながら、横展開を図ってまいりたいと思います。

16番(依光晃一郎君)
 県庁は無駄が多いというのを訂正させていただいて、本当に情報共有にも心を配ってやっていただいていることがよくわかりました。

(3) 契約事務の簡略化について

 次に、契約事務に関してお聞きをいたします。平成30年度の監査では、不適切な事務処理について平成29年度よりも増加という結果になりました。これまで毎年の監査の指摘を受け、チェック体制は強化されていることと思います。今回、私は、不適切な事務処理の数がふえたことを問題とするのではなく、そもそもの事務処理が複雑化し、かえって負担がふえたであろうことを問題としたいと思います。

 不適切な事務処理を防ぐためには、チェック体制を強化することになります。このチェックというのは、要するに上司の一手間だと思います。私が監査した印象では、忙しい部署ほど不適切な事務処理が発生し、さらにチェックを厳しくするためさらに忙しくなるという悪循環に陥っているのではないでしょうか。この際、契約事務に関しては、不必要な書類は省いたり、最重要書類以外の押印は不必要とするなど、もう少しシンプルな契約にできないかと感じます。

 契約事務の簡略化について会計管理者にお聞きをいたします。

会計管理者(中村智砂君)
 契約事務につきましては、今回の監査の指摘も踏まえまして、しっかりとチェックが行われるよう指導してまいりたいと考えております。その上で、事務処理が効率的に行われ、かつミスが発生しにくくなる工夫にも取り組んでまいりたいと考えております。

 例えば委託業務などの契約書において、該当項目を丸で囲む様式に見直すなど、これまでも簡略化に努めてまいりました。こうした様式や手続の簡略化について引き続き検討し、適正な契約事務が行われるよう努めてまいりたいと考えております。

(4) 契約事務に関する業務支援の取り組みについて

16番(依光晃一郎君)
 次に、契約事務に関する職員へのサポート体制についてお聞きをいたします。契約事務についての職員支援については、会計管理局が、契約事務のポイントという冊子をつくり、入札に関する業務については、理解を深めるための模擬入札という取り組みも行っております。この模擬入札の取り組みは、実際の入札の流れを目で見て確認できるため、人の動きや手順についてわかりやすく学ぶことができ、すぐれたものだと思います。また、会計専門員も配置し、出先機関も含めて相談できる体制もとっているということです。

 私は、契約事務という仕事が、県庁職員にとって相当のプレッシャーがかかる業務であろうと感じておりまして、この契約事務がストレスのない仕事になれば、相当な働き方改革になると思います。

 そこで、契約事務に関する業務支援の取り組みについて会計管理者にお聞きをいたします。

会計管理者(中村智砂君)
 契約事務は、県と相手方が互いの権利義務の関係を定める重要な手続でありますので、これまでも研修の実施やテキストの作成、事前の相談対応などの支援を行っておりますほか、本庁におきましては全所属の契約書類の確認を、出先機関に対しては巡回による指導や助言を行うなど、契約の準備段階から締結後の支払いまでサポートしているところでございます。

 今後も、契約事務研修をさらに充実させるなど、支援の強化を図ってまいります。

16番(依光晃一郎君)
 これも自分が見させてもらって、知らなかったことがいろいろあって、いろんな努力をしていることがわかりました。1つは会計管理局だよりというのがあって、4こま漫画でわかりやすく、事務のチェックが至らないところを事前に教えてくれるとか、あとは会計専門員が本当に機能しているんではないかなと感じました。会計専門員に何でも相談できる体制を--やっぱり上司は聞きにくいけれど会計専門員には聞きやすいということもお聞きしましたんで、御負担もかけるかと思いますけれども、業務改善のためにぜひとも頑張っていただきたいと思います。

(5) 監査によるPDCAサイクルの検証を踏まえた行政運営について(要請)

 次に、監査資料の書式変更について御紹介をしたいと思います。今年度から、監査資料の重点項目の取り組み状況について、PDCAサイクルを取り入れた書式へと大幅な変更がなされております。監査委員の役割とは、行政運営が公正で合理的かつ効率的に運営されているかを見るもので、今回の見直しは、組織としての目標設定や改善について評価できる書式であり、非常にすぐれていると感じます。

 御提案された植田代表監査委員にお聞きをしますと、「本庁各課、出先機関の重点項目に対する取り組み状況について、1、目標の設定、2、目標達成に向けた取り組み、3、取り組み結果の検証、4、検証を踏まえた改善、いわゆるPDCAサイクルが機能しているかを検証することを狙いとして書式を変更した。本年度は、変更初年度のふなれということもあり各機関の資料の仕上がりに濃淡があったが、監査業務を通じて取り組み状況の把握に努めた。来年度については、重点項目に対する取り組み状況が監査資料に適正に反映され、各機関と活発な議論ができるよう努めていく」ということでした。

 私は現役の監査委員ということで、質問ではございませんが、監査によるPDCAサイクルの検証を踏まえて、より適正な行政運営がなされるよう要請をいたしたいと思います。

3 物部川流域の活性化について
(1) 自然・体験型観光キャンペーンにおける龍河洞の位置づけについて


 最後に、物部川流域の活性化についてお聞きをいたします。

 まず、龍河洞の再整備についてです。2月からスタートした自然・体験型観光キャンペーンでは、龍河洞も大々的にPRをしていただいております。また、高知県の予算も活用させていただき、新たな施設整備も行っていただいております。

 自然・体験型観光キャンペーンにおける龍河洞の位置づけについて観光振興部長にお聞きをいたします。

観光振興部長(吉村大君)
 龍河洞では、物部川の地域本部などが主体となって、また龍河洞保存会や香美市なども連携をしていただいておりまして、このたび新たな探検コースの整備や、光と音、映像を活用した洞内の演出などの付加価値を高める取り組みが進められております。これらの取り組みによりまして龍河洞の魅力にますます磨きがかかり、ことしの夏には神秘的な世界を体感できる新龍河洞がオープンするとお聞きしています。

 自然&体験キャンペーンではこの新龍河洞を拠点施設に位置づけて、旅行会社へのセールスや特設ウエブサイトとメディアを活用した情報発信などのプロモーション活動により、大いに売り込んでいきたいと考えています。

16番(依光晃一郎君)
 新龍河洞と言っていただきまして、本当に新龍河洞になると思います。これは本当に地元も頑張って、過去100万人来ておったのが今10万人になっておるということで、県の支援があってのことと、また知事が応援してくれているということで、いろいろ地元も意気に感じて頑張った面もあります。まだちょっといろいろとやればやるほど課題も出てくるところはありますが、しっかりと自然&体験キャンペーンに龍河洞を入れていただいたということをうれしく思っていますし、自分も応援したいと思います。「志国高知 幕末維新博」では、香美市は幕末の志士がおらんもんで、さみしい思いをしたんですが、ことしからはしっかりと龍河洞もPRしたいと思いますし、県民の方に来ていただきたいという思いもありますので、ぜひ御支援をよろしくお願いいたします。

(2) (仮称)鍛冶屋の学校について

 次に、仮称鍛冶屋の学校についてお聞きをいたします。香美市が誇る土佐打ち刃物は、国指定伝統的工芸品として全国に販売されており、特に包丁は海外での販売が好調で、需要に製造が追いつかない現状です。しかし、長い間の消費低迷で鍛冶屋の後継者不足は深刻で、産地を維持していくことも危惧されるようになっていました。

 そんな中、香美市の有志で鍛冶屋の学校をつくろうという機運が持ち上がり、香美市が設置した、ものづくり会議で審議された後、香美市議会で予算化され、ことし10月には開校予定となりました。高知県には構想段階から御支援いただきまして、改めて感謝申し上げます。

 香美市に設置される仮称鍛冶屋の学校について知事のお考えをお聞きいたします。

知事(尾崎正直君)
 土佐打ち刃物は、高知が本当に世界に誇る伝統産業でありまして、特に今、外国人の皆様にも大変人気だというふうに伺っているところです。ぜひ後継者を育成して、地産外商につながる地場産業として拡大再生産の好循環につなげたいと、そういう思いであります。この鍛冶屋の学校を通じて高い技術力の方々が育成をされて、さらなる発展につながっていく、そういうことを本当に心から期待しているところです。

 また、ぜひ鍛冶屋の学校を地域の観光の取り組みと連動させていくことができれば、なお一層大きい効果をもたらすことができるのではないかと、そのように思っています。先ほどお話ありましたけれども、この龍河洞は、一観光施設というのにとどまらず、本当に高知県の自然・体験型観光の4番バッターになり得るところであって、100万人の観光客の皆様方を県外から呼び込んでくる潜在力を持ったところだと、そういうふうに思っています。アンパンマンミュージアムの取り組みもあります。この物部一帯のすぐれた観光資源と土佐打ち刃物の伝統産業を組み合わせていくことですばらしいクラスターができるんじゃないか、そういうことを本当に心から期待いたしているところであります。

 我々物部川の地域本部も主体的にこの問題に取り組んでいるところでありますけれども、産業振興計画の枠組みの中で、観光さらには地場産業の振興ともに力を合わせて、それぞれの取り組みをしっかり統合して、全体の地域の振興につながっていくように取り組んでいきたいと、そういうふうに思っています。

16番(依光晃一郎君)
 力強い御答弁をいただきました。特に鍛冶屋の学校に関して、観光面のことを言っていただきました。鍛冶屋の学校の準備委員会というか、そこで議論していたのが、武生にナイフビレッジというところがあって、刃物を打っているところを観光客の皆さんに見ていただいて、そこで販売もしていると、そういうところを目指して検討もしておったんです。今回2段階方式ということで、まず今、流通センターというところを設備投資して第1段階、軌道に乗ったら第2段階で観光も含めた形の施設にパワーアップさせようということで、まずは第一弾をしっかりと成功させんといかんということで、力強いメッセージもいただきましたので、しっかりと香美市のほうも頑張っていきたいと思います。

 龍河洞を含めて物部川流域の地域活性化というのは、本当に交通の便もよくて可能性があると思いますので、これまで以上の御支援を要請いたしまして、私の一切の質問といたします。ありがとうございました。(拍手)

議長(土森正典君)
 以上をもって、依光晃一郎君の質問は終わりました。
 ここで午後3時50分まで休憩といたします。
   午後3時43分休憩

"自然体験型観光・行政改革の取り組みについて 平成31年2月定例会(一問一答)" へのコメントを書く

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