永国寺キャンパス整備 県外大学進学者のUターン施策 南海地震対策 平成23年6月定例会 一般質問

(一括質問を、一問一答の形に編集しております。答弁の後は、依光の質問になります。)

○議長(中西哲君)
 これより日程に入ります。日程第1、第1号「平成23年度高知県一般会計補正予算」から第14号「高知県公立大学法人に係る中期目標の制定に関する議案」まで、以上14件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。8番依光晃一郎君。

   (8番依光晃一郎君登壇)

◆8番(依光晃一郎君)
 皆様おはようございます。依光晃一郎でございます。議員になって初めての質問をさせていただきます。前置きが少々長くなりますが、お許しをいただきます。

 さて、県議に上げていただきまして約3カ月がたちました。私は文化厚生委員会に所属しまして、本庁及び出先機関の業務概要調査ということで、県庁の仕事をいろいろと勉強させていただきました。その中で感じましたことは、私が見させていただいたごく一部のお仕事ですら多岐にわたる業務内容で、その中で県の職員の皆様方が奮闘されている姿でした。医療・福祉分野では、高知県の雇用情勢や経済の低迷が県民生活に深刻な影響を与えており、その生活を支えている県庁の皆様方のお仕事を、これまで以上に過酷なものにしていることを痛感いたしました。

 改めまして、産業振興計画を成功させ、高知で安心して生活するための基盤である働く場所をつくることがぜひとも必要であると感じております。私が今回立候補するに当たりましてお訴えさせていただいたことは、何としても雇用の場をつくらねば、我々の世代が頑張らねばということでした。地域の皆様方からも働く場を、地域の担い手を何とかしてほしい、そんな声を多く聞かせていただきました。高知には多くの課題が山積しておりますが、仕事の問題、担い手の問題を解決せずして、ほかの問題の解決はあり得ないとの確信を得ました。

 中山間地域の疲弊は、集落の消滅という事例も引き起こしています。集落にある数百年にわたって守られてきた神社がだれも管理できなくなったり、幾世代にもわたって毎年作付されてきた田んぼがここ数年で何も植えられなくなる。効率化、集約化の流れの中で、昔ながらのものは消えていく運命といえばそれまでですが、長い時間をかけて守られてきたものが目の前で消えていくことに対して責任を感じざるを得ません。私は、この雇用の場づくりと担い手の問題が、これまで土佐の先人が築いてきたかけがえのない文化や伝統の継承にかかわる非常に重要なことだと思っています。ことしの産業振興計画では正念場という言葉が使われていますが、今やらなければ大事な土佐の伝統文化が消えてしまう。そういう意味でも、私も今が土佐文化の正念場と考えています。

 さて、県庁の仕事をこれまでと違った形で見るようになり、また県庁の職員のお話を聞く中でよく耳にする言葉として、PDCAサイクルというものがあります。言うまでもないことではありますが、プラン--計画、ドゥー--実行、チェック--評価、アクト--改善ですが、高知県の民間企業では余り聞くことがないため少し驚きました。これは民間がPDCAサイクルをおろそかにしているということではなく、PDCAサイクル自体が血肉化されていて言語化されていないということであると思います。

 民間にとっては、お客さんの評価がそのまま売り上げに直結しますから、間違った計画、実行を行えば売り上げの減少という形で直接結果となって返ってきます。商売人にとってPDCAは日々の当たり前のことですし、手持ちのお金があろうがなかろうが、新たな計画を立て、知恵を絞ってお客さんの評価を得ようと頑張ります。片や行政は、担当部局が前年度の事業や業務、新規事業について、これだけの予算が必要であるということを財政当局に予算要求し、認められればお金が確保できます。民間経営では当然の考え方が、行政では強く意識化しないといけないということを改めて感じました。高知県においては、PDCAに対して強い意識化が行われているということで、非常に頼もしく思います。

 では、高知の企業経営者の中で話をする際に何が語られるか。それは次の2つです。事業、プロジェクトの目的は何かということ、そして問題解決と問題対処を区別するという2つです。事業、プロジェクトの目的というのは、その企業の企業理念、存在意義のことであります。また、問題解決というのは、事業の目的を達成する終わりなき改善、逃げないという決意でもあります。気を抜けばすぐに表面を取り繕うだけの問題先送りという対処になってしまいます。何を言いたいかといえば、私は高知県に必要なものは雇用であり、そのためには産業振興計画を何としても成功させなければならない。そのためには、いま一度産業振興計画の目的を明確にし、その目的に向かう問題解決の仕組みでPDCAサイクルが回せているかをきちんと検証しなければならない。逆に言えば、雇用という目的達成を意識せずに問題対処に終始する、時間稼ぎ、先送り事業ということも行政には起こり得るわけで、そこをきちんとチェックさせていただきたいと思います。

 さて、私が考える尾崎知事の産業振興計画ですが、私は高く評価しております。それは、これまでの高知県の産業振興に関する取り組みが雇用問題の解決につながっていなかったのに対して、尾崎知事の産業振興計画が、問題解決に向かってプランを策定したことをすばらしいと考えるからです。これまでの計画と違った点を3つ挙げます。まず1点目は、産業振興に対して重点分野を絞ったこと。2点目は、産業間の連携に意欲的に取り組んだこと。3点目は、多くの県民の参加を促したことの3点です。これまでの産業振興策が高知県でうまくいかなかった理由は、いごっそうという言葉がありますが、みんなおらがおらがで自分の意見を主張して、ほかの意見に耳をかさず、結果として横の連携と情報共有が進まずに、当事者以外は無関心ということで、すぐに壁にぶち当たったからだと私は分析しています。

 重点分野の選定という点に関しては、1次産業と関連産業の振興について、高知の強みと弱み、利用すべき環境変化と克服すべき環境変化を整理、分析して、論理的に打ち出した点が画期的と思います。尾崎知事以前の本県の産業振興策は、1次産業に他の産業を連携させて産業政策を進めるといった視点は乏しく、例えば商工労働部は商工労働部だけで、農業振興部は農業振興部だけで物事を考えていたのではないでしょうか。県内にある世界的シェアを持つ先端素材メーカー由来の先端分野や、上場企業の重要な機械部品をつくる機械工業分野を重点に産業振興を進めようとしていたのではないでしょうか。こういった認識の上で、工業団地の造成、企業誘致、そして工学系人材育成のため、我が香美市に高知工科大学が設立されました。

 この先端分野、機械工業分野は、全国の都道府県すべてが目指したものであり、大消費地から遠く、交通インフラに弱点がある本県では苦戦が続いたと認識しています。逆に、今ある高知県の先端分野、機械工業は、そんなハンディを乗り越える知恵と工夫で生き延び、小さいけれどもニッチできらりと輝く企業、世界有数のシェアを誇る企業が生み出されたことは高知の誇りです。改めて、雇用という目的を達成するための1次産業を主眼に置いた他産業との連携、総合戦略で高知はいくんだというビジョンを強く打ち出さねばなりません。高知の豊かな自然と環境に優しいイメージが、高知の1次産品の強みであり、過疎地域を抱える雇用の受け皿として有望であるし、また先端的な高知県企業も、その創業時は1次産業を基盤としたことを改めて確認し、加工の分野での協力をビジネスチャンスとして、一致団結して取り組む体制をいま一度進めねばなりません。

1永国寺キャンパスについて
(1)永国寺キャンパスに産業創出機能を追加することについて


 では、正念場の年として、これまでの取り組みを前進させ、地域に雇用を生み出すために何がさらにつけ加えられなければならないか。それは知事もよく御認識のとおり、ビジネスのアイデアと新技術、人材の育成であります。多くの事業者にとって、事業の拡大に関する新技術やビジネスのアイデアを提供してくれるのが大学の研究であり、県の研究施設であります。新しいビジネスというものは、一人の天才的な経営者が新しい発明をして創業というのもあるかもしれませんが、現実的には、既存の企業が自社の技術力をアップさせたり、販売方法を変えることで新たな顧客を見つけるなどして、雇用をつくり出すのだと思います。また、異なる2つの技術、分野が出会うことで、新しいアイデアが見つかる場合もあります。例えば、農業の分野を機械関係の技術者の目で見て、新しい商品を開発したというようなことが高知でも起こっています。

 高知には、高知大学、高知県立大学、高知工科大学がありますが、学部でいえば、人文学部、教育学部、理学部、農学部、医学部、文化学部、看護学部、社会福祉学部、健康栄養学部、工科系のシステム工学群、環境理工学群、情報学群、そしてマネジメント学部、それぞれ世界に誇る実績があります。また、県の工業技術、農林水産技術などの研究機関の研究成果も非常に優秀です。しかし、所在地がばらばらで、研究成果を評価したり新たな連携が生み出されて産業が生み出されるというためには、よほど技術に精通したコーディネーターが飛び回って、連携の取り組みをしなければなりません。また、県内企業が香美市の高知工科大学地域連携機構で相談をし、さらに朝倉の高知大学国際・地域連携センターに行って相談する。また、県の技術に関しては、ものづくり地産地消センターのある布師田に行くというのは、時間的にもロスがあるのではと思います。

 産学官連携会議が設置されることで、産学官の取り組みも前進すると思いますが、私は会議を設置するのではなく、どう考えても物理的に1カ所に集まることが有効であると考えます。その場所に行けば、大学や県の研究開発に関する連携窓口と各組織から派遣された担当コーディネーターがいろんな相談に乗ってくれて、産学官の垣根を越えたプロジェクトが生まれるということが理想的だと思います。先ほど高知県の強みを伸ばしてという話をしましたが、安心・安全の健康食品開発や医療・介護分野の機械製品、観光に関する情報戦略など、高知の知の集結による産業育成の取り組みには夢があると思います。また地域課題の解決にも有効であると思います。また、地域の産業を担う人材育成が不可欠で、産業振興計画の成功も、意欲ある事業者がどれだけ生まれるか、また地域を引っ張る中核企業の人材を県内できちんと育成できるかということが、これからの高知県の雇用を生み出す上での必須条件となります。

 改めて申し上げます。尾崎知事の産業振興計画では、これまでのおらがおらがで目標が定まらないため、横の連携も情報共有も進まず、当事者以外は無関心という形の産業振興策に陥ることになってはいけません。高知の特性をきちんと生かすビジョンを持ち、県内の知恵を総動員する体制をつくり、多くの人のパワーを集結して前進する、私は今しかないと思っています。そこで、高知県は永国寺キャンパスを社会貢献する知の拠点として整備する構想を持っています。私はその社会貢献という意味の1番が、高知の最大の課題である産業をつくり出すことだと思っていますし、知の拠点という意味は、いろいろな県内の英知を集める仕組みのことだと思います。

 高知県の夢のある雇用創出のために、大学の垣根を越えた組織づくりに加えて、県の研究機関、さらには県内企業との共同研究、外部資金導入など、産業振興センターがやられている業務も永国寺キャンパスに加えて、産学官の垣根をより低くした産業創出機能を新たにつくり出すという形が望ましいと思うが、どうか、知事にお聞きをいたします。

   (知事尾崎正直君登壇)

◎知事(尾崎正直君)
 依光議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、永国寺キャンパスに産学官の垣根をより低くした産業創出機能を持たせるべきではないかとのお尋ねがございました。産学官連携につきましては、本年5月に、県内の大学や産業界などとともに高知県産学官連携会議を設立し、相互の情報共有や交流を通じ、新たな産業創出のための具体的なプロジェクトの実施に共同で取り組むこととしておりまして、産学官連携を推進する機運を今高めておるところでございます。そうした中でありますけれども、永国寺キャンパスにつきましては、平成20年度に取りまとめた県立大学改革プランや、昨年3月の県立大学にかかる永国寺キャンパス検討会の報告を受けまして、県と関係する大学で永国寺キャンパス整備等検討チーム会を立ち上げ、社会貢献する知の拠点として社会科学系学部の設置や社会人教育の充実などについて具体的な検討を進めてまいりました。

 その中では、これまで各大学が取り組んできた社会貢献活動を大学間連携のもとでさらに充実させるため、永国寺キャンパスに共通の窓口として産学官連携や地域連携のためのセンターを設置することとしたいと考えておるところでございます。このセンターを中心としまして、社会人教育の企画立案等を行いますとともに、御指摘のように県の研究機関や産業振興センターとも連携しながら、県内企業との情報交換や交流、技術開発、共同研究や受託研究の推進、人材育成などの産学官連携の取り組みを進めていきたいと考えております。あわせまして、地域再生や地域づくりに関する研究、情報交流などの地域連携の取り組みも行っていきたいと考えておるところです。今後、永国寺キャンパスが地域に開かれた産学官連携の拠点としてその機能を十分発揮し、産業振興計画の推進にも貢献できるキャンパスとなるよう努めてまいりたいと、そのように考えております。


(2)新社会科学系学部を課題解決に貢献する学部にすることについて

○依光
 次に、今回新たな社会科学系学部の構想がありますが、その学科に関することについてお聞きします。私は、全国たくさんある大学で新たに経済学系、経営系の学科をつくることに対して、何としても大学としての特色を出していただきたいと思います。私は経済学部の出身ですので、経済学部についてのみお話をしますと、今の経済学部の教育は、専門が細分化し過ぎて、現実に起こっている社会の問題をうまくモデルとしてあらわせず、結果として課題を解決できていないという気がしています。

 新しい発想に立った経済系の学部設置ということですが、細かく細分化された最先端の研究を広く俯瞰し、さらに高知をフィールドに地域の過疎や雇用問題の現実を実地検証しながら問題解決に貢献する学部であるべきだと思いますし、そうでなければ他県の大学に埋没してしまうと思うが、どうか、知事にお聞きをいたします。

◎知事
 次に、永国寺キャンパスに設置する新たな社会科学系学部についてお尋ねがありました。新たな社会科学系学部については、県の産業振興や地域経済の活性化に資する人材の育成と県内高校生の進学先の拡充、これを目的とし、ひいてはより多くの若者の県内定着をも視野に入れまして、経済学の専門家の御意見もいただきながら、構想案の検討を行ってまいった次第であります。構想案では、経済システム系と経営システム系を含んだ学部を考えておりますが、経済、経営はもちろん、法律、情報処理なども含め、幅広い社会科学系の分野にわたりまして基礎的な力を身につける教育を行うこととしております。そして、その上で高知をフィールドにした地域の課題解決や地域づくりの教育研究、また先進的分野の教育研究などを行うといった特色を出していくこととしております。今後、新たな社会科学系学部が地域の再生や発展に貢献できる人材を育成できる魅力的な学部となるよう、学部を設置する高知工科大学とともに、具体化に向けた検討を急いでいきたいと考えております。

(3)高知で活躍(就職)できる人材育成カリキュラムについて

○依光
 次に、人材育成についてお聞きします。構想では、県内産業を担う人材育成として、卒業生の一定数が高知の産業界の中核人材となって育つことを想定していますが、現実の大学生は都会志向といいますか、採用数の多い県外企業にまず目が行くことが多いようです。また、就職環境が厳しく就職できない学生がふえており、就職率が高い大学、また上場企業にどれだけ入ったかというランキングが大学の評価となっている現状がありまして、大学側も就職率を上げることが目的化する傾向があります。県外の上場企業へのパスポートを発行する大学というのであれば、別に高知に新たにつくる必要はありません。県費が使われるのであれば、高知で働く意欲のある人材育成が中心にならなければなりません。

 この志願者数確保を目指した県外ブランド企業就職への意識と、県内企業へ送り出す人材育成という県民の要請は、なかなか折り合いがつかない問題ですが、このことについてどのような対策を考えているか、文化生活部長にお伺いいたします。

   (文化生活部長大崎富夫君登壇)

◎文化生活部長(大崎富夫君)
 新たな社会科学系学部に関し、県内企業に送り出す人材育成のための対策についてお尋ねがございました。

 新たな社会科学系学部につきましては、本県の産業振興や地域経済の活性化に資する人材の育成が設置目的の大きな柱の一つでございます。そのため、経済・経営系を中心に幅広い知識と基礎力を身につけ、地域の課題やその解決に向けて高い関心と理解を持つ人材を養成していくことが重要だと考えております。こうしたことから、広く社会科学系分野にわたる教育を行うことはもちろん、高知をフィールドにした教育も重視していくことといたしております。また、県内企業でのインターンシップの拡充や、県内各界で活躍する方々による講座などの実施、大学の取り組みを地域に積極的に情報発信することなどで、学生や大学と地域や県内企業などとの相互の理解を深めていくことも、人材の県内定着にとって重要でございます。

 こうした取り組みを行うに当たりましては、新たな産業の創出などに向けた産学官連携や地域再生の取り組みに加えて、大学における人材育成につきましても地域との連携が大切だと考えております。今後は、こういった人材育成のあり方やその取り組みにつきまして、新たな社会科学系学部を設置する高知工科大学とともに具体的な検討を進め、県内産業を担う人材育成について積極的に取り組んでまいります。

○依光
 以下は要請です。2007年ごろに、日本の大学への入学希望者総数が入学定員総数を下回る状況が生まれたと言われております。人口減少を迎える日本に、これだけの大学が要るのかという議論はますます強くなると思います。雇用創出と地域課題解決に関する大学の役割は、高知県にとってはますます大きくなっていきます。何としても地域に大学を残すため、これまで以上の努力をお願いいたします。県民が気軽に永国寺に足を運び、企業が新事業や新商品の開発の相談をし、市民グループが財務や運営に関する専門分野を相談する。大学生にとっては職業意識を、県民にとっては新たな課題解決の仕組みを、学生と県民、企業、そして研究者の交流が生まれる希望の持てる知の拠点となることを期待します。

2高知県の産業を支える人材確保について
(1)県外に進学した高知県出身大学生のUターン就職率について


○依光
 次に、産業を担う人材のUターンの現状についてお聞きします。高知県では仕事がないから、高知に帰りたくても帰れないということをよく聞きます。一方で、県内資本の高知県企業では、幹部候補生となる優秀な人材を採用することが難しいという全く逆の話を聞くことがあります。ここで企業が希望するのは、組織人としての資質やビジネスマンとしての発想と感性を持った人材ということで、企業側が将来を託すために必死に探している人材です。私が調べた、毎年定期的に従業員を採用している県内資本の会社約50社は、昨年は約320人の採用計画があったにもかかわらず、採用できた人数が230人。約100人の雇用枠が埋まりませんでした。このことは、長期的には県内企業の力を弱めていきますし、県全体の活力を弱めることにもつながっていきます。

 こうした企業の人材確保に関して、県内大学の新卒者採用は比較的うまくいっていると聞いています。しかし、高知県では、県内の高校生の大多数が県外の大学に進学するという実態があり、さらにそうした学生の多くが高知県に帰らず、そのまま県外で就職しているのではないかと考えられるところです。私は私立の進学校と言われる高校の出身ですが、高知で働いている同級生は3割もいないのではと思います。実態がきちんと把握できれば、対策もとれるのではと思います。そこで、高知県では、県内の高校から県外大学に進学した学生がどれくらいの割合で高知に帰ってきているかという数字を把握しているでしょうか。高校まで高知県民がお金をかけて大切に育てた人材ですので、できるだけ多くの学生が高知県の産業界に貢献してくれればと思います。

 県では、県外の大学に進学した学生の県内就職についてどのように考えているのか、またその状況を把握しているのか、知事にお聞きをいたします。

(2)県外に進学した高知県出身大学生へのUターン対策について

○依光
 また、県は、県外の大学に進学した学生へのUターン情報について支援事業を始めたということですが、まだまだ不十分であると思います。といいますのは、高知県に残った親御さんのほうが、県外に出たお子さんに向かって、高知は景気が悪いから都会で頑張れ、高知には帰ってくるなと言っているような状況があるということです。県の産業振興計画を推進する人材を確保するためには、希望の持てる高知県というビジョンを県外大学に在学する高知県出身者にも、また高知県内に住む保護者の方にもさらにPRしていく必要があると思います。

 県外に出た優秀な人材は、一たび県外で就職すると、県外で成功している分高知に帰ってくるモチベーションは余りありません。よほどの熱意が伝わらなければ、産業振興計画を成功に導く人材は帰ってこないと思います。県としてどのように取り組むのか、知事にお聞きいたします。

◎知事
 県外の大学に進学した学生の県内就職、いわゆるUターン就職の状況をどう考えているか、またその促進に向けた情報発信についてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。大学生のUターン就職の実態につきましては、ことし4月に高知労働局と連携して、県内の民間企業216社と、県、市町村、一部事務組合69団体を対象に、今春の新規大卒者の採用に関するアンケート調査を行いました。回答いただきました184の企業、団体が採用した643人のうち、Uターン就職をした方は、その半数に当たる327人でございました。この人数は、4年前に県外大学に進学し、この春に卒業・就職をしたと思われる県出身者の2割にも満たないものとなっております。また、県内には世界的に事業展開している企業やすぐれた技術力を持った企業が数多くありますけれども、議員のお話にありますように、こうした企業が将来の核となる若い優秀な人材を十分に確保できていないという状況もお伺いをしておるところであります。

 県外大学に進学した学生の相当数が、そのまま県外で就職をしているという状況を考えますと、これに対処する方向は2つだと考えております。第1に、県内の大学への進学、こちらをふやすようにする。そのために進学先を県内に確保するということかと考えております。このため、県内高校生のニーズの非常に高い社会科学系の学部を新たに高知県内に設置をしていきたい、そのことをまず第一に考えておるわけでございます。そして、第2の方向は、一人でも多くの学生にふるさとに帰ってもらうための取り組みを強化することだと、そのように考えております。

 この第2の点のために、まず何といいましても、産業振興計画や日本一の健康長寿県構想を着実に実行することによって、県内に魅力ある雇用の場を拡大していくことが重要でありますが、こうした取り組みとあわせまして、県内産業を支える人材の確保に向けまして、県外に進学した学生に、県内企業の情報や県内で働くことの魅力を粘り強く訴えていくことによりまして、Uターン就職の促進を図るという取り組みにも力を入れていかなければならないと、そのように考えております。

 そういうことで、昨年度から情報の発信を強化し、Uターン就職に向けての具体的な取り組みを積極的に進めておるところであります。まず、大学生に対しましては、県内外で開催する就職相談会や県内就職に関する情報について、ダイレクトメールでの送付を始めたところであります。あわせまして、民間の就職支援会社が東京と大阪で開催する就職相談会にも県として参加をし、学生からの相談に応じるとともに、産業振興計画の取り組みや県内企業の情報提供などを行い、県内就職に向けたPRに努めております。また、学生の就職に大きな影響力を持つ保護者の方々に対しましても、県内で開催される大学の保護者会を通じて働きかけを行っているところであります。

 さらに、高校生の段階では、企業実習や企業見学等を通じて県内企業を知ってもらうとともに、大学進学後も本県の情報が定期的に提供できるよう、高校3年生全員に対しまして、県のポータルサイト「高知で暮らす。」への登録を呼びかけているところであります。今後とも、より多くの大学生に関心を持ってもらえるような効果的な情報発信や、参加しやすい相談の場の設定などに工夫を凝らしていきたいと考えております。さまざまな機会をとらえまして、私自身も強く呼びかけてまいりたいと、そのように考えております。

 私からは以上でございます。

3南海地震対策について
(1)災害対策本部の電源・通信・人員についての初動対応への体制づくりについて


○依光
 次に、南海地震対策につきまして危機管理部長にお聞きをいたします。今回の議会でもいろいろな質問がありましたが、私からは情報処理と防災拠点という観点で御質問させていただきます。これから起こるであろう南海地震ですが、東北の津波と同じものが高知を襲うとしたら、どのような形で被害を最小限にするか。そして、72時間の壁という言葉がありますが、どれだけ迅速に被災者の救援に当たるかということに対して、早急に取り組まなければなりません。さて、県は、南海地震応急対策活動計画を策定し、初動対応から1カ月までの計画を詳細につくっております。地震が起これば、災害対策本部と災害対策支部が自動設置となっており、本部事務局員が直後にやる業務が幾つか定められています。私はその中でも、津波警報の沿岸市町村への伝達と、被災情報の収集と分析について県の責任は重いと考えております。

 津波警報の沿岸市町村への伝達ということですが、災害対策基本法第60条、市町村長の避難の指示等の第5項に、「都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなったときは、当該市町村の市町村長が第1項、第2項及び前項前段の規定により実施すべき措置の全部又は一部を当該市町村長に代わって実施しなければならない。」とあり、要するに緊急事象では避難指示を知事が代行しなければいけないということが定められています。東日本大震災では、自治体機能が壊滅した事例もあったわけですから、間違いのない準備が必要です。また、被災情報の収集と分析ですが、被災者の72時間以内の救出ということを考えれば、あらゆる機関との情報共有をし、重傷者や孤立避難地域などの確認、救援方法、救援経路の選定など、手順よく動ける情報分析能力も重要となります。

 高知県南海地震応急対策活動計画では、地震発生後すぐに危機管理部の職員が、総括班として災害対策本部を設営します。この時点でまず第一にやることが、電源の確保、通信の確保であります。危機管理部では、万全の対応ということで、停電時には非常用発電機、通信の不調に対しても防災行政無線や衛星携帯電話で対応となっております。一方で、活動計画では県庁本庁舎に設置できないことも想定し、その場合は北庁舎に設置、さらに使えなければ警察本部庁舎に設置となっております。本庁の電源と通信機能を確認し、だめならば第2候補を調べるという手順でしょうか。想定外を想定するということではありましょうが、地震発生後は命にかかわる一分一秒が惜しい緊急事態です。しっかりした、県民から安心される準備が必要であると思います。

 また、本部設置後の第1回災害対策本部会議までの目安が定められていて、勤務時間内の地震発生であれば1時間以内に、勤務時間外であれば2時間以内に会議を開催することになっております。勤務時間外であれば、職員は自家用車は利用せず、家族の安全の確認後、徒歩、自転車またはオートバイでの参集になっております。高知市では、広範囲の浸水も想定されていますので、土日、夜間など勤務時間外の時間帯に地震が起きた際には、相当厳しい人員で初動対応をせねばなりません。地震がいつ起きるかはだれもわからないことですが、県庁の業務時間であるかどうかで県民の安心・安全に格差があってはいけないと思います。そのためにも災害対策本部は、確実に電源と情報収集、伝達のための通信が確保され、人員も最低限の機能が発揮できる体制であり、初動対応がしっかりと行える体制づくりが必要だと考えます。

 県民に約束できる初動対応についての具体的な対策についてお聞きをいたします。


   (危機管理部長森部慎之助君登壇)

◎危機管理部長(森部慎之助君)
 南海地震対策について、まず災害対策本部の電源、通信、人員の体制についてお尋ねがございました。

 南海地震が発生した場合には、速やかに災害対策本部を設置し、情報収集と分析を行い、迅速かつ的確な対応を行うこととしております。災害対策本部で行います情報の収集・伝達手段としまして、平成22年度に地上系防災行政無線をデジタル方式で更新し、無線の回線数の確保や中継所等の耐震化を行いました。また、停電に備えた非常用発電機も容量を増強して設置し、災害発生時にも対策本部が十分な機能を発揮できるように改善をしました。さらに、万一に備えるため、非常用電源につきましては浸水による被害への対策の強化も行うこととしております。

 初動時の必要な人員の確保につきましては、南海地震応急対策活動計画を策定し、勤務時間であるかないかを問わず、速やかな人員の参集と役割の明確化により、的確な初動対策が行えるよう取り組むこととしています。特に、本部事務局の総括班、通信・情報班、連絡調整班を担う危機管理部の職員は、時間外であったとしても原則30分以内を目標に参集し、それぞれの役割を果たすこととしております。また、南海地震などの発生に備え、初動の迅速化を図るため、現在危機管理部長は県庁近傍に居住をしており、速やかに登庁し指揮命令がとれる体制をとっております。さらに、来年度からは、危機管理部において2名体制の宿日直を行い、24時間体制の確立を図り、より早い初動につなげてまいります。この2月には、応急対策活動計画に基づき、警察や自衛隊など関係機関とともに、災害対策本部における情報の収集、伝達など初動対応を中心に図上訓練を行いました。このような訓練を繰り返し、計画や体制を検証し不断の改善を行ってまいります。


(2)各組織の連携のための情報共有の仕組みづくりについて

○依光
 次に、情報収集、分析能力についてお聞きをいたします。情報収集については、市町村、警察、消防、そして自衛隊と、それぞれが情報収集しており、また県民からの道路や河川の状況、そして避難状況なども入ってきます。東日本大震災では情報が錯綜して、自衛隊と消防が同じ被災者を助けに行って、後から行った部隊が何もせずに帰ることになるなど、幾つか時間的ロスがあったとも聞いております。各組織が効果的に活動するためには、組織間の連携とともに、地理的な情報などについてフォーマットを共有して、共通認識を持って活動することが重要になってくると考えます。

 組織間での情報共有を促進するための具体的な取り組み状況についてお聞きします。

◎危機管理部長
 次に、地理的な情報を組織間で共有するための具体的な取り組みについてお尋ねがございました。南海地震発生後はさまざまな情報が錯綜することが想定され、これらの情報を正確にかつ迅速に整理し、警察、消防、自衛隊等とともに被害の全容を把握し、各機関がしかるべき対応を行うことが重要であると考えております。これら情報の共有化を図るためには地図が基本となることから、自衛隊が作成している地図を参考に、土木事務所の管内図に1キロメートルの格子、升状のメッシュでございますが、それを表示した災害対策用地図を昨年度末に作成しております。この地図は、県内の地理に不案内な自衛隊などの応援部隊が、被害地域や避難場所について、地図の格子番号により、おおむねの位置を確認しやすいように工夫をしたものになっております。

 また、電話等により入ってきた情報を整理しやすくするために、各機関が共通して使えるよう、必要な項目をあらかじめ記載した情報記録用紙も作成をしております。こうした地図や記録用紙は平時から各機関に配布し、図上訓練等で活用することにより、情報の共有と連携の強化に努めるとともに、地震発生後にはこれを活用し、実際の応援部隊の応急対策の迅速化と確実な活動につなげていきたいと考えております。

(3)災害対策本部の通信回線数、人員数について

○依光
 また、多くの情報は、一遍に災害対策本部に集中することになると思います。各被災地から重要な情報を伝えようとした際、本部が話し中でつながらない、もしくは電話を受ける人員が足らずにつながらないということがあってはいけません。

 災害対策本部の確実につながる防災行政無線と衛星携帯電話の現状での回線数、また電話を受ける人員体制の取り組みについてどうか、お聞きをいたします。

◎危機管理部長
 次に、防災行政無線、衛星携帯電話の現状での回線数と情報を受け取る人員体制についてお尋ねがございました。情報の収集と伝達は、防災対策を講じる上で最も重要なことと考えています。そのため県では、災害に強く、ふくそうのない専用回線として、地上系と衛星系の2系統の防災行政無線を整備しているほか、衛星携帯電話も配備し、情報の収集と伝達に当たることにしております。まず、防災行政無線の地上系は、県庁本庁と地域の防災の拠点となります土木事務所や福祉保健所などの出先機関や県内すべての市町村、消防本部のほか自衛隊や海上保安部、災害時の拠点病院などの防災関係機関をネットワークしており、これら関係機関の通信に必要な回線としまして合計220回線を確保しております。次に、衛星系は、県庁本庁と全国都道府県や全国知事会、さらには消防庁など県外との通信のため、20回線を確保しております。また、衛星携帯電話は、危機管理部の防災作戦室に5台を配備しておりますほか、県内の各福祉保健所や各土木事務所にも21台、合計26台を配備しております。

 さらに、県庁や市町村役場に固定をしております通信設備の被災に備えまして、防災行政無線のネットワークのもとで、ふくそうせず通信が可能な携帯型の通信機器や衛星系の通信機器を出先機関に配備し、県職員が市町村の支援業務に携行して、災害対策本部等との通信を確保するための検討も行っておるところでございます。こうした通信システムの構築に加えまして、情報の収集や伝達、さらには分析に要する人員体制も非常に重要となってまいりますので、災害対策本部設置時には、危機管理部の大半の職員をこうした業務に充てることとしております。さらに、職員には、機器の操作訓練や本部の運営訓練を通じて対処能力全般の向上を図るなど、体制の強化に努めているところでございます。


(4)災害対策支部の設置場所について

○依光
 次に、県内5カ所の災害対策支部についてお聞きします。災害対策支部の役割は、本部事務局と連携し、管内の被災状況の収集・把握、また市町村災害対策本部への情報の確認や支援とあります。設置される場所は、安芸、中央東、中央西、須崎、幡多のそれぞれ土木事務所に設けられることになっております。情報収集に関しては、河川や砂防そして交通インフラに関するプロ集団ですので理解はできますが、津波の被害を受ける場所もあることから、機能を十分発揮できないのではという心配もあります。

 市町村支援の拠点である災害対策支部につきましては、設置場所などその機能が十分に発揮できるようにしておくことが必要だと考えますが、東日本大震災を踏まえた検討の状況についてどうか、お聞きをいたします。

◎危機管理部長
 次に、災害対策支部の設置場所等、その機能が十分発揮できるようにしておく必要があるのではとのお尋ねがございました。災害対策支部は、いち早く地域の被災情報を収集・分析し、災害対策本部へ情報提供するとともに、市町村や関係機関と一体となって救助活動や避難者支援、復旧活動などを行うものでございます。現在、災害対策支部は県内5カ所の拠点土木事務所に設置することになっており、このうち、津波の浸水区域に所在する支部は、安芸、須崎の2つの支部でございます。この2つの支部が入る庁舎は、地域住民の津波からの一時避難場所ともなっていることなど、重要な役割を担っています。このため、現在の場所において支部機能を発揮させなければなりません。

 今回の東日本大震災を受け、安芸支部の入る予定の安芸総合庁舎は、自家用発電機を6階に、電話、無線等の配電分配装置等を5階に、駐車場を3階にするなどの設計の見直しを進めることとしております。また、須崎支部につきましても、支部事務スペースは4階、5階に確保しておりまして、非常用発電機も屋上に配備をしております。今後は、機動力確保のための駐車場等の検討を行っていくこととしております。

(5)燃料の備蓄、ヘリコプターの拠点基地整備について

○依光
 また、今回の東北の地震では、被災者を救援するための道路が瓦れきに埋もれて通行できなくなりましたが、重機で撤去しようにも燃料がなくて動かないということがありました。また、地震後に力を発揮したヘリコプターですが、その力を100%発揮してもらうためにも、燃料補給と整備が行える、地震の被害を受けない拠点整備も不可欠です。

 津波の被害のない土地での燃料の備蓄とヘリコプターの給油、整備基地についてどうか、お聞きをいたします。

◎危機管理部長
 次に、重機用燃料の備蓄やヘリコプターの給油及び整備基地についてお尋ねがございました。南海地震が発生した際には、強い揺れや大津波などにより、県内の広範囲にわたって甚大な被害が発生をしますし、東海から九州に至る超広域的な災害になると考えております。このため、応急救助、道路啓開などはもちろん、応急復旧についても県外から大規模な体制での支援を受けなければなりません。このような支援をより効果的に受けられるようにするためには、県として、まず受け入れを円滑に行い、迅速に活動が行える、いわゆる受援力を高めておく必要があります。

 そのため県では、高知県南海地震対策行動計画の取り組みとして、平成21年度には、災害時に支援を受け入れるための拠点として活用が可能な既存施設の調査を行い、平成22年度からはこの施設について、津波などの被害を受けない場所なのか、道路等の交通の確保はできるのか、ヘリコプターの活動拠点として必要な機能が具備できるのかといったことを整理の上、県内全域にどのように配置をすればよいかとの検討を行っているところでございます。また、このような広域防災拠点の整備につきましては、超広域災害への備えとして国として取り組んでいただくことが必要でございますので、国に対しまして5月18日に政策提言も行ったところでございます。なお、重機用の燃料の備蓄につきましては、被災の範囲が広範囲にわたり地域地域で確保する必要がありますので、平成20年2月に高知県石油業協同組合との協定を行いまして、燃料の確保が行える仕組みをつくり、対応を行うこととしております。

(6)海岸部と中山間部の市町村の連携による避難者受け入れ態勢整備について

○依光
 最後に、被災者の受け入れに関する市町村の連携と避難所づくりについてお聞きをいたします。高知県下には34市町村がありますが、海に面している市町村が19自治体、面していない市町村が15自治体となっており、人口でも圧倒的に海に面した自治体が多くなっております。一たび津波が襲えば、一時的には10万人を超える避難者も想定できます。海を抱えた自治体では、被災者である職員自身が同じ自治体の被災者を助けるという状況となり、自治体職員の皆様方は、御自分の御家族が被災している中での救援活動となります。海のない自治体は、もちろん山津波や孤立集落の対応をしなければならないのですが、同時に津波の被害を受けたほかの市町村住民も助ける必要があると考えます。市町村の職員数も限られていますし、津波の被害を受けた自治体職員が人命救助に専念できるよう、避難所の運営などは中山間地域の自治体が引き受けるような取り組みも必要と考えます。

 中山間の自治体には、廃校になった学校の校舎など、少し手を入れるだけで避難所となり得る施設がたくさんあります。また、仮設住宅の建設も相当大きな数が必要と思われますが、建設するよりも、中山間地域の空き家を修理することなどにすれば安上がりですし、地元の大工さんなどを活用すれば地域のお金の流れもつくれます。高知県として、廃校となった学校や附属する寮など、少し手を入れるだけで避難所機能が発揮できる場所を調査し、周辺の空き家などにも手を入れて、いざというときの避難所として、また地震発生までは町と中山間の方々の交流の場として整備する取り組みが有効と考えます。また、避難所生活によるストレスで病気になる方もいらっしゃるようですが、顔見知りがいて、日ごろからなじみの土地への避難ということになれば、少しはそのストレスも軽減できると思われます。

 海と山を結ぶ災害に備えた拠点づくりについてどうか、お聞きをいたします。

 以上で第1問を終わります。

◎危機管理部長
 最後に、沿岸部と中山間地域の市町村が連携し、避難者を受け入れるための仕組みづくりについてお尋ねがございました。南海地震発生による本県での避難者数は、約25万人に達すると想定をしております。津波で浸水した区域内にある避難所の多くが使用できなくなることから、これら避難者の受け入れ対策は早急に取り組まなければならない課題であると認識をしておるところでございます。現在、県内の市町村では、災害時相互応援協定を締結し、食料や飲料水のほか、避難者の受け入れなどについて協力し合う仕組みになっていますが、複数の市町村が同時に被災するなど広域的な災害が発生し、大量の避難者に対して実践的で具体的な対応には、課題が多くあると考えております。

 このため、市町村ごとに想定される避難者数とこの避難者を安全に十分収容できる容量について整理し、被災市町村だけで対応できない避難者につきましては、広域的な受け入れのための枠組みを検討しなければなりません。県としましては、避難者の対応の主体であります市町村とともに仕組みづくりに取り組んでまいります。また、このような市町村の枠組みを超えた避難につきましては、お話にございましたように、日ごろからの地域間の交流も重要でありますので、そうした機運を高めていくために、自主防災組織間の連携を深めながら、お互いに支え合う仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。

◆8番(依光晃一郎君)
 丁寧な御答弁ありがとうございました。

 永国寺キャンパスの社会に貢献する知の拠点構想は、多くの県民が注目しております。高知の山積する課題を解決するためには、知の拠点に志ある人間が集って、問題対処ではなく問題解決のための知恵を出し合うことが必要であると思います。産学官連携という言葉は、十数年前から使われていた言葉だと思いますが、いまだに使われていることを考えますと、仕組みだけの連携で、問題解決のために人と人が意気投合するといった形での連携ができていなかったのではないかと思います。県内多くの知恵と情熱が集う場所としての知の拠点構想に改めて期待をいたします。また、高知県の産業を支える人材の確保ということに関しては、中長期的な視点を持って、粘り強く継続的な取り組みをお願いしたいと思います。

 そして最後に、地震対応についてですが、初動対応における危機管理部の仕事の負担を少し減らせないかと感じています。想定外の事態が起こったときに全力で取り組めるような余裕を残すことを目的として、今想定している業務の役割分担を再検討することで、結果的に多くの人命を救助することにつながるのではと思います。例えば、初動対応の情報収集業務、コールセンター業務は、本部と確実に通信できるのなら、高知市以外の県庁出先機関などに丸投げし、そこから送られてくる一定整理されたデータの情報分析や判断に集中するというようなことです。今回いろいろ調べる中で、危機管理部の部長が勤務時間外の緊急時に備えてすぐ登庁できるよう県庁近くにお住まいを移したとお聞きしました。私は深く感銘を受けたと同時に、心強く思ったことをつけ加えさせていただきまして、私の一切の質問を終わります。(拍手)

○議長(中西哲君)
 暫時休憩いたします。

   午前11時休憩

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