「担い手の確保について」 平成30年2月定例会(一問一答)

1 担い手の確保について


午後4時50分再開
○議長(浜田英宏君)
休憩前に引き続き会議を開きます。一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。依光晃一郎君の持ち時間は40分です。15番依光晃一郎君。

○15番(依光晃一郎君)
最後の質問者となりました。今議会は働き方改革、残業ゼロというようなお話もありましたが、なぜか私の時間が5時半までということで、皆様方には残業をお願いすることになりますが、よろしくお願いいたします。

本日は、担い手の確保について質問をさせていただきます。

(1)本県で働くことが他県で働くよりも幸せだというメッセージの発信について

知事の提案説明にもありましたとおり、担い手の確保は高知県政のとても重要なテーマとなりました。第3期産業振興計画でも、成長の壁を乗り越えるということが主要なテーマとなっております。完全雇用状態を背景とする人手不足の深刻化は、地産外商の取り組みを継続していくためにも、新たな取り組みにチャレンジしていくためにも、乗り越えなければならない経営上の大きな壁となりました。人手不足に対応する、担い手確保の抜本強化と省力化・効率化に向けたサポートの強化の2つの柱のうち、本日は担い手の確保というテーマについて議論を進めさせていただきます。

この担い手確保については、高知県出身者のUターン就職支援、県外出身者を移住者として呼び込む移住施策、また短期的な労働者としての外国人研修生制度など、それぞれについての議論や施策が進んでいるところです。また、県内在住の定年退職者や専業主婦に、もっと担い手になってもらうという考え方もあります。働きやすい職場づくりの取り組みが進んでいますし、来年度からは農業と障害をお持ちの方々との連携である農福連携の取り組みも始まるということで、これまで仕事につきたいと思っていた方々が、仕事ができるようになるのではと期待するところです。

さて、Uターン就職支援、県外出身者を移住者として呼び込む移住施策に加え、新規卒業者の県内就職について考えます。高知県で学んだ高校生、大学生が、高知県を選んで担い手となるために、今の高知県に何が必要でしょうか。私は、高知県で働くからこそ幸せだという価値観を、自信を持って言い切れることではないかと思います。あなたは、高知という土地を選んで働いていますか、高知で働くことに自分自身で納得していますかという問いに対して、きちんと答えられるかどうかが高知県において問われています。産業振興計画の言葉をかりれば、あなたは地域地域で誇りと志を持って働いていますかという問いに答えられる県政を意識すべきということになります。

高知県で働くことが幸せかということについて、県内で調査をした事例として、平成28年に土佐経済同友会が、高知県民総幸福度に関するアンケート調査を行いました。アンケート結果については、あなたは高知で暮らして幸せだと感じますかという質問に対して、感じる、大いに感じるを合わせて61.8%、感じない、全く感じないが合わせて6.8%、またどちらでもない、わからないが30%でした。個人的には、幸せ度は高いのかなという感想を持っております。働くことに関する質問では、仕事と生活とのバランスがとれていると感じますか、仕事にやりがいや充実感を感じますか、あなたのお住まいの地域では自分の能力を発揮できる仕事があると感じますかという質問項目がありました。それなりによい結果ではありましたが、今後、県のほうでもアンケートを実施して、継続した傾向を分析することも必要ではないかと考えるところです。

まず最初に、県の産業振興計画が成果を上げ続けていくためには、高知県で働くことがその人の人生にとって幸福につながっているという実感が重要だと思っていますが、高知県で働くことが他県で働くよりも幸せだというメッセージをどう発信していくのか、知事にお聞きをいたします。

○知事(尾﨑正直君)
まずは、高知県で働くからこそ幸せだと言える状況をつくっていくように努力するというのが私の職務だと、そのように思っています。これについては、必要条件と十分条件を両方満たさなければならんのだろうと思っています。

必要条件という意味でいけば、高知で暮らすこと、これについて少しでも安心の感覚が高まるということが大事だろうと、そういうふうに思っています。この点についてもっと言えば、給料が十分な量になって云々かんぬん、暮らしがしっかりできるようになっていると、そのことが非常に大事だろうと思います。

1人当たり県民所得でいけば、大体、今高知県は30位台の半ばぐらいという状況です。1人当たり雇用者報酬、いわゆる1人当たりの給料ということでいけば、大体25位前後で今推移をしているところでありまして、まだまだ改善すべき余地は大きいというところでありますが、それぐらいの状況ということかと思います。

もう一つ、十分条件も満たさないといけない。それは何かというと、高知で働くと志を満たせると、やりがいがあると、そういう状況をつくっていくこともまた大事だろうというふうに思います。

1事業所当たりの従業員数というのが、高知県は7.9人、全国でいけば10.7人、一人一人の果たす役割は大きいというのが高知県ということだろうと思います。ただ、もっともっと、例えば中山間地域にあって、世界を相手に地産外商する仕事を一緒にやっていこうではないかなどという形で、若い人たちも含めて、高知で働くことについて大いに志を満たすに足ると感じてもらえるような、そういうやりがいのある仕事をたくさんつくり出していくように努力するということも、また求められているところかなと、そのように思っています。

現状はどうか、移住者の方が、かつては120組、昨年度は683組おいでいただいたということでありまして、少し改善の度は増しているのかなと思いますが、しかしながらまだまだだろうと思います。ある意味、正直に現状はこうです、もっとよくするためにこう頑張ります、そういうメッセージを発していくということかと思っています。

○15番(依光晃一郎君)
ありがとうございます。本当にやりがいのある高知県ということで、移住者の方々が本当に生き生きと活躍しているのを見ると、高知県やるなというふうに自分も思います。

(2)県内企業の賃金体系の整備への支援について

また、給与面の話がありましたが、働くことについての本音ということで、高知県の給与水準の問題もあると思います。高知県は他県と比べて新卒の初任給が低い傾向があり、県外に進学した大学生で、高知に帰ってくる若者の割合は2割にとどまる現状です。このことについて、日本銀行高知支店の大谷前支店長が、高知県の労働分配率の低さについて講演や新聞で問題提起をされました。前支店長によれば、業種別、規模別の全国平均の労働分配率をもとに、高知県の産業構造から推定される労働分配率を計算すると77%となる。実際は59%であり、説明が難しいということでした。高知で働く人の給料が低いのは、高知県企業が全国的な水準で給料を出していないという指摘です。

このことについて経済学が教えるところでは、労働市場において需給が調整され、今後賃金は上がっていくのだと思います。しかし、重要なのは、その賃金上昇がいつまでに実現するかというスピードです。現状では、県内だけでの人材の奪い合いでなく、県外企業も加わった中での人材の奪い合いとなっており、県外との差が広がらない対応を早くとらなければ、給料の高い県外に担い手が流出していくと危惧をするところです。

私自身は、行政が企業に対して賃上げを要請することには抑制的であるべきだと思いますが、一方で県内企業が成長の壁を乗り越え発展していくために、今後の担い手となる新卒者が県外企業に引き抜かれないよう、県内企業の魅力を高めていく必要もあると思います。例えば、初任給を急に引き上げることは無理でも、新卒者が自分の将来の人生設計が描けるように、県内企業において賃金体系の整備を行っていくことも必要ではないかと考えるところです。

そこで、高知県は県内企業の賃金体系の整備を支援していくお考えはないか、商工労働部長にお聞きをいたします。

○商工労働部長(中澤一眞君)
本県の賃金について、産業振興計画に取り組む前の平成20年と直近の28年の1人当たりの現金給与総額を比較しますと、国が4.7%減に対して、本県は2.8%の増となっており、改善が進みつつあるというふうには思いますけれども、一方で絶対水準ではまだ国の93.2%にとどまっているという状況でございます。

お尋ねのありました新卒者の就職に関しまして、平成27年に県が県内の高校生、本県出身の県外大学生などを対象に行った調査の中で、県外での就職を希望する理由のうち、就職先に対するものとして、希望する就職先がある、それに次いで、給料や待遇などの労働条件がよいということが2番目に挙がっております。こうした状況も踏まえますと、さらなる賃金の引き上げにつながっていくよう、今後とも産業振興計画におけるさまざまな取り組みを通じて、より多くの企業で、賃金の源泉となる安定した収益構造をつくり出していくことを目指していく必要があるものと思います。

その際、お話のありました賃金体系を整備することで、社内でのキャリアパスが明確となり、新規卒業者にとっても将来設計を描きやすくなりますので、大変重要な取り組みだというふうに思います。県としては、人材を求める企業の皆様に賃金体系の整備を初め福利環境の充実など、労働条件等を整えていただけるよう、来年度から新設をされます働き方改革推進支援センターが行うセミナーや専門家派遣などの支援と、事業戦略の取り組みを一体的に進めることなどを通じて、企業の皆様の取り組みが一層進みますよう支援をしてまいります。

○15番(依光晃一郎君)
ありがとうございます。賃金体系の整備について前向きな御答弁をいただいたと思います。給料を上げるためには、当然企業が成長していかんといかんし、売り上げも上げんといかんということやと思います。その中で、設備投資であるとか、そういったような支援ということはこれまでもあったんだと思うんです。意外と、賃金体系は、うちは小さい会社だから必要ないということもあったかと思うんですけれど、やっぱりどんどん伸びてくるときに賃金体系というのがないと困るんだと思います。

先ほどもありましたけれど、キャリアパスという意味でも、従業員さんが個の能力あるいは売り上げを上げることでボーナスがもらえるとか、それがモチベーションになるんだと思うし、もう一つ、中途採用する際に、どれだけの賃金でというところで、企業が結構悩むんだと思います。そのときに当然低かったら来ないわけですけれど、高くし過ぎたときに、社内的に説明ができないと、急に来た人間のほうが給料が高いとなると、会社の方のモチベーションが下がってしまうわけで、かえってよくないということもあって。お金って非常にシビアな問題だし、やっぱりそこでジェラシーとかいろんなものが入ってくると思うんで、ぜひとも賃金体系ということも視点に入れてやっていただきたいと思います。

(3)人生100年時代を前提とした担い手の確保に向けたメッセージについて

先ほどは高知県の給与水準の話をさせていただきましたが、高知県だから出せるメッセージについて前向きな御提案をさせていただこうと思います。最近、国の資料などで人生100年時代という言葉をよく聞くようになりました。この人生100年時代について問題提起をした本が、昨年話題となった「ライフ・シフト100年時代の人生戦略」という本です。この本は、長寿社会の到来に向けた、100歳までの人生を前提とした人生設計について問題提起をしております。人生100年時代を考えたときに、60歳を定年と考えると、老後が40年続くことになります。20年学び、40年働き、20年の老後というこれまでの人生設計が、20年学び、40年働き、40年の老後という人生設計に変わります。このことに備えようと考える価値観の転換は、担い手確保という面から見れば、高知県にとって追い風と感じます。低い給料だが、やりがいがある、だから就職しませんかというメッセージではなく、豊かな人生を送るために高知県を選びませんかというメッセージを出すのです。

スピードの速い都会で40年働いて、さらに老後を40年過ごすというのはしんどいなあと思う人が多いのではと感じます。金銭的な余裕という意味でも、都会で年金を取り崩しながら生きるというのは、非常に心細い感じがします。しかし、高知のような土地であれば、中山間地域で80代現役というのは当たり前ですし、食料の自給も含め何とかなるような気がします。また、自然の豊かさ、人とのつながりという点では、圧倒的に高知のほうに軍配が上がります。100歳までの人生を考えて、高知県で仕事をすることが、人生100年時代を豊かに生きていくことの近道だという価値観をつくり出せないかと考えるところです。

また、高知県では、全国一学びの機会が多い県というキャッチフレーズで、土佐まるごとビジネスアカデミーを開講しております。人生100年時代というのは、年齢によって仕事や生き方を柔軟に変えるための学び直しが重要であって、高知県は他県に比べて積極的にアピールできる体制が整っているのではと思います。

そこで、高知県は、人生100年時代を前提とした豊かな人生に向けた学び直しができる高知県をアピールした、担い手確保へのメッセージを出していくお考えはないか、産業振興推進部長にお聞きをいたします。

○産業振興推進部長(松尾晋次君)
本県は、お話にありましたように、日本一学びの機会が多い県を目指して、土佐まるごとビジネスアカデミーの充実などに取り組んでまいりました。来年度さらに、IT・コンテンツアカデミーの開講や、林業大学校の本格開校あるいは文化人材育成プログラムの実施など、さまざまな分野で一層の充実が図られることとなります。このように、時代とともに変化する学びのニーズに応じて、本県の取り組みを進化させながら、幾つになっても学び直しができる、新しいことにチャレンジできる県であることをあらゆる機会を通じて発信し、全国の認知を得ることが担い手の確保につながりますし、さらには本県が人材の宝庫になるためにも不可欠だと考えております。

○15番(依光晃一郎君)
ありがとうございました。我々の若い世代というのは、定年まで同じ企業で働くということは余り想定されないだろうとも言われていますし、そういう意味で言うたら、転職とか、そういうことも人生の中で何回かあるというような、ある意味ライフシフトということが起こる際に、高知に来たら何とかなるんだということになってほしいと思うし、そうあるべきだと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

(4)小中学校におけるキャリア教育とキャリアチャレンジデイについて

次に、小中学校におけるキャリア教育についてお聞きをいたします。香美市ではキャリア教育の活動が充実してきており、平成28年7月の対話と実行行脚で知事にも御視察いただいた大栃中学校は、大栃保・小・中の物部地域学校協働本部、物部っ子を育てる会として、文部科学大臣表彰を受賞しました。この取り組みの中で、子供たちが物部のガイドブックをつくったり、商店街を活性化する物部っ子商店を実施したりと、郷土愛、チャレンジ精神、コミュニケーション力を育んでいます。香美市では、よってたかって教育という言い方を使い、子供たちの教育を学校の先生だけが担うのではなく、多くの大人と接する機会を意図的につくることで、子供たちの成長を促しています。

そして、香美市のよってたかって教育の一大イベントとして、毎年秋にキャリアチャレンジデイが開催されています。昨年は、10月21日に香美市の3つの中学校の1、2年生全員参加で開催されました。昨年で4回目となります。この事業は高知工科大学を会場に、香美市内外の21事業所がブースを構え、生徒たちが興味のあるブースを回って、仕事の魅力ややりがいについて聞くというものです。また、インタビューの想定問答を事前に考え、企業からの答えを事前に予想して、その答えに対するさらなる質問を考えるというようなこともやっており、考える力の訓練にもなっていると思います。

そして、イベント後の振り返りの学習として、3つの決意表明をします。1つ目、意思、将来どんな職業、職種につきたいか。2つ目、役割、今自分が果たす役割、できること、すべきこと。3つ目、能力、これらの達成のために伸ばしていきたい、身につけたい能力というものです。香美市の中学生は、3年間に2回この授業を受けることになります。中学生から自分自身の人生をどうするのか考え、その夢に向かって努力することを学んでいます。

この地域社会を教材としたキャリア教育と、その一環として実施しているキャリアチャレンジデイについて、私は高知県で活躍できる人材育成につながるすばらしい取り組みであると思いますが、教育長のお考えをお聞きいたします。

○教育長(田村壮児君)
一言で言いますと、香美市のキャリア教育はすばらしい取り組みだというふうに思います。その一環として実施されておりますキャリアチャレンジデイは、香美市内外からさまざまな職業人を招いて、働くことの意義や喜び、またこれまでの努力や苦労について生徒とともに語り合う機会を持つもので、子供たちは、このことをきっかけに生き方を考え、夢や志をつくり、学習意欲を高めております。

新学習指導要領においては、教育課程を社会に開くことを重要視し、またキャリア教育の充実を求めております。そのような意味からも、香美市のこのような取り組みは、地域とともに学ぶキャリア教育のモデルとなるものであり、高く評価されるものと考えております。

教育委員会といたしましても、これまで、キャリア教育を充実させるための啓発リーフレットを作成しておりますが、そのトップに香美市の取り組みについても紹介してきたところでございます。今後も、こうしたすばらしい取り組みが一層広がるよう、教育長会や校長会などでも周知していきたいと考えております。

○15番(依光晃一郎君)
ありがとうございます。

(5)山田高校の「総合的な学習の時間」における生徒の発表について

次に、山田高校についてもお聞きをいたします。山田高校はこれまで、特色がないのが山高の特色と言われるほど、目立つことのない学校であったのだと思います。しかし、最近の山田高校は、濱田久美子校長が来られてからの4年間で大きな変化を遂げました。特に、学校支援地域本部等事業と連携した、総合的な学習の時間は、全国的に見ても先進的なカリキュラムであると感じています。

1年生の総合の学習は、前期に香美市商工会企業のCMをつくる課題に取り組み、後期は市に政策提言をするというカリキュラムとなっています。前期の「香美市28社の企業CM制作~チームでイノベーション~」は、第32回高知県地場産業大賞の次世代賞を、安芸桜ケ丘高校、須崎工業高校、嶺北高校とともに受賞しました。また、2年生が1年間かけて取り組んだ、県政課題解決のための知事への政策提言という授業では、2月9日に知事や県庁部局の御協力のもと、正庁ホールにて発表させていただきました。知事への提言について、3つ御紹介させていただきます。1つ目は、高知県の体力向上対策をテーマにしたチーム。タイトルは「リアルな鬼でハラハラ・ドキドキ大作戦」。課題意識は、児童の体力が全国平均を下回っている一方で、スポーツクラブに所属している児童の体力は全国平均を上回っていること。そこで、高校生が小学校に出向いて独自の鬼ごっこを企画し、児童に体を動かす楽しさを知ってもらう、また同時に、スポーツクラブに勧誘しようというものでした。

2つ目は、地震対策をテーマにしたチーム。タイトルは「ペットと一緒に過ごせる避難所づくり」というものです。このチームの課題意識は、地震時の避難所でペットを飼っている人が避難生活で困るのではないかというもの。そこで、ペットを飼っている人同士が助け合える体制をつくることができないかと考え、ペットを飼っている人による運動会を事前に企画するというアイデアでした。

3つ目は、観光振興をテーマにしたチーム。タイトルは「はりまや橋を“残念”だけで終わらせない!」。問題意識は、はりまや橋は有名な割にリピーターが少ない。そこで、日本三大がっかり名所をむしろ積極的にPRする。同時に、はりまや橋での写真撮影を定番にするため、着物や衣装レンタルができるシステムを構築し、周遊コースもつくるというものでした。

これらの提言は、基礎データ、根拠をきちんと前提にしたものとなっており、1年をかけて企画をブラッシュアップしていることから、それぞれの生徒が、自分たちが考えたプランについて自信を持って発表してくれました。そして、知事からの鋭い質問についても、自分の言葉で回答することができるほどの成長をなし遂げたのだと思います。

まず、知事に、山田高校生徒の発表について御感想をお聞きいたします。

○知事(尾﨑正直君)
私も一言で言わせていただければ、大変すばらしいと、そのように思いました。願わくばもっと長い時間とって、もっともっといろいろ質問もさせていただいて、いろいろ対話ができればなと思いましたが、私のちょっと時間の都合で短くなってしまって申しわけなかったと、そういうふうに思っています。

でも本当にすばらしい発表で、やっぱり子供らしい、私たちとはまた違う切り口を持っていて、なるほどなと思うこともありましたし、また大人並みの本格的な分析を深めた側面もありましたし、本当にすばらしいことだと思いました。

ああいう形で課題を自分で見つけて、そして調べて発表して、人と議論してそれを高めて、多分大人になると、もう一つこれを実行してというのが加わってくるんだろうと思いますけれども、山田高校の皆さんがやられたことというのは、まさに大人になってこれからやっていくであろうことを先取りして学習していくようなお取り組みなんだろうと、そういうふうに思いました。

ゆえに、もってして、ああいう勉強をしていく中において、何ゆえ勉強しないといけないのかとか、そういうことなんかについて本当に腹に落ちる形で多くの皆さんが実行されていったんじゃないのかなと、あらゆる意味において、本当に有意義な取り組みだなと、そういうふうに思わさせていただいたところです。

○15番(依光晃一郎君)
ありがとうございます。本当にお褒めをいただいて、山田高校の生徒さんにも伝えたいと思います。8チーム発表させていただいたんですけれど、実は24チーム、知事に発表したかったといって残念がっていた子供たちがいましたけれども、本当に全員…。優秀なチームだけが知事に発表したということでもなかったんだと自分は思うんで、資料もまた見ていただければと思います。

(6)山田高校の2年生の取り組みへの評価について

次に、教育長にもお聞きをいたします。このカリキュラムは、これからの時代に求められる資質、能力が身についているかどうかが評価となるのではと思いますが、山田高校の2年生の取り組みが主体的・対話的で深い学びとなっているか、評価をお聞きします。

○教育長(田村壮児君)
新学習指導要領で重視されております学習のあり方である、主体的・対話的で深い学びであるためには、生徒が主体的に学ぶことと自分の人生や社会のあり方を結びつけること、多様な人々との対話を通じて考えを広げたり深めたりすること、さらに知識を単に記憶する学びにとどまらず、身につけた知識、技能がさまざまな課題の対応に生かせることを実感できるような学びの深まりといったことが要件となります。

このような視点で見ていきますと、県の課題をチームで考え、その解決策について根拠をもとに提言する山田高校2年生の取り組みは、まさに主体的・対話的で深い学びが実現している事例であると高く評価ができます。

今後、次のステップとして、この取り組みをさらに充実させるために、これまで以上に総合的な学習の時間と各教科などとの相互のかかわりを意識しながら、育成したい資質、能力に対応したカリキュラムマネジメントを行うことにより、県内の先進校としてこの取り組みをさらに進化させていただきたいと考えております。

○15番(依光晃一郎君)
ありがとうございます。

(7)地域連携コーディネーターの発掘および育成について

これらの山田高校のカリキュラムは、香美市商工会や、香美・香南・南国3市の行政関係者、そして県庁の皆さん、調査対象の団体企業の協力がなければ実現することができません。このカリキュラムを支えるのが、学校と関係者の間に立って調整をする地域連携コーディネーターの存在です。山田高校では3人の民間人と2人の高知工科大生の5人の方々にお願いをしました。また、大学生メンターにも参画いただいています。大学生メンターというのは、政策立案をする高校生チームのよき相談相手で、高校生がぶつかった壁について乗り越えるお手伝いをする役目です。

このカリキュラムのスタート時には、山田高校の先生方にはとても不安があったように思います。本当に高校生がCMをつくれるのか、市長や知事に提言をつくれるのかという不安です。また、責任感が強い先生方ですので、生徒にかかわってくれる大人に迷惑をかけるのではという不安もあったと聞いています。この不安に対して、濱田校長は3つのことを示しました。生徒に課した課題のレベルを下げないこと、生徒の失敗は成長として前向きに捉え、チャレンジを評価すること、かかわってくれる大人に対して過度の遠慮はせずに、生徒のしつけは学校と地域の共同責任であると示し、先生の負担感を和らげたことです。校長の明確なビジョンがあり、そして地域連携コーディネーターの5人がいたからこそ、このプログラムが実現できたのだと思います。

私は、このプログラムは、郡部高校の魅力を高め、生徒の高知県内就職を促進させるすばらしいカリキュラムであると感じております。また、多くの学校で実践してもらいたいとも思います。この地域連携コーディネーターは、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の重要な人材であり、世話好きの県民性を最大限生かせる高知県教育の特色を生み出すキーパーソンになる潜在力があります。

この地域連携コーディネーターの役割について教育委員会として検証し、人材の発掘、育成についての研究を進めていただきたいと考えるが、教育長にお聞きをいたします。

○教育長(田村壮児君)
お話のありましたように、山田高校の地域連携コーディネーターは、教育活動プログラムの企画・提案段階からかかわり、地域との調整からプロジェクトを円滑に進めていくための運営管理まで、その成果を左右する重要な存在として活躍をいただいており、目指すべきコーディネーターのあり方の一つとして高く評価をしております。県では、来年度から、コーディネーターの発掘、育成のための研修会を実施し、現役のコー
ディネーターや市町村が候補者として期待する方、学び場人材バンクに登録している方などを対象に、活動に必要な基礎知識の習得や、活躍しているコーディネーターのノウハウの共有、参加者間の情報交換などを行うことを考えておりまして、こうしたことを通じて、山田高校のコーディネーターのようなコーディネーターの発掘、育成を進めていきたいと考えております。

○15番(依光晃一郎君)
ありがとうございます。
本当に前向きな答弁でうれしく思います。高知大学に教職大学院というので、学校運営コースができたと聞きました。また、高知大学のほうとか、またいろいろな大学とも研究成果を共有してやっていただくと、本当に高知県教育、変えられるんじゃないかなというふうに思っています。

(8)「総合的な探求の時間」への応援体制について

国は、新しい学習指導要領で探究という言葉を多く使っています。私は、この探究というのは、生徒が自発的に学ぶ力だと解釈しています。高知県では、D3層という、勉強の進みぐあいの遅い生徒への対応を進めることとしていますが、私は、中学生と同じやり方は高校生には通用しないだろうと思っております。勉強をやれと言ってやる高校生は、そもそも自発的ではありません。学力が上がったとしても生きる力にはなっていないだろうと思います。

私は、山田高校の生徒がなし遂げたことは革命的だと思っております。山田高校は、香美市にありながら香美市の中学生からの評価が低い学校でもあります。成績のよい生徒は高知市内の高校に進学することから、山田高校にはD3層の生徒が多く、あわせて山田高校の調べたアンケートでは自尊心が低いという結果が出ています。そんな子供たちは、入学当初はまさに中学4年生で、こちらが質問しても、周囲の友達を見てもごもごと答えるような生徒です。そんな生徒たちが、例えば知事からの質問であっても、自信を持って答えることができるようになったという成長の伸び率が、私は革命的と感じます。

私は、この山田高校のカリキュラムは、学習指導要領が目指す生きる力の育成や新成長戦略が掲げる課題発見・課題解決能力や論理的思考力、コミュニケーション能力など、重要能力、スキルの確実な習得を実現したものだと感じております。山田高校の生徒が探究する力を深めていった3つのステップは、1つ目にCMづくりということで、近所のおじさんおばさんへの取材、2つ目に、身近な町について調べ、市長に提言、3つ目に、自分の将来につながる興味のあるテーマを選び、知事に提言するというものです。

生徒たちは、少しずつ世界を広げ、またデータの活用も上手になっております。インターネットを使える現在の高校生にとっては、県庁のホームページや国の地域経済分析システム、RESASからデータを探し出してきて根拠を調べるというのは、今後当たり前になるのだと思います。また、来年度からは統計課が統計分析課にパワーアップするとも聞いておりますので、高校生の学びにも御協力いただければと願うところです。

今後、県内各地の高校が、総合的な探究の時間を使って、高知県の課題を解決するカリキュラムをどんどん実施していくと思いますが、高知県としての応援体制についてどうか、知事にお伺いをいたします。

○知事(尾﨑正直君)
先ほど申し上げましたように、山田高校の取り組みは、本当にすばらしい、本当に有意義な取り組みだと思います。同様の取り組みを、高知県の課題を解決するカリキュラムを、どんどん実施していく高校がふえてくるということになれば、非常に望ましいだろうなと本当に思います。

そのための応援体制として、幾つか具体的にも考えられるところではないかというふうに思っていまして、まずはデータの提供をするとか、専門的見地からの助言をするとか、こういうことをうちの関係課とコラボレーションしながら行っていくことがまず第1に考えられるだろうというのが1つ。そして、先ほど来お話のあります、コーディネーター役を果たす外部人材を御紹介させていただくということもありますでしょう。また3点目、ここが非常に大事だと思いますけれども、生徒の政策提言等の発表の機会を確保するということが非常に大事ではないのかなと、そのように思っています。

この機会がだんだんふえてきていると思っていまして、1つには「志・とさ学びの日」コンクールというのがあります。ことし、明治150年記念式典・成果発表フォーラムという形で実施させていただきたいと考えているわけでありますが、さらには高校生津波サミット、この機会もあるだろうと思いますし、さらにはものづくり総合技術展とか、そういう場をうまく生かすということも考えられるのではないかなと、そういうふうに思います。

こういう発表の機会があれば、しかもその機会がオープンで、一定しっかりとした形で構えられていれば、子供たちのモチベーションアップにもつながっていきますでしょうし、また先生方も年間カリキュラムをしっかり組んで、こういう授業に取り組むということもまた容易になってくるということになるのではないかなと、そういうふうに思います。ぜひこういう一連の取り組みを進めさせていただければなと、そういうふうに思っています。

○15番(依光晃一郎君)
発表の機会ということで、ありがとうございます。今回も知事のスケジュールをとれるのかというのが一番の問題意識やったんですけれど、発表の機会をつくっていただくというのは本当にありがたいことであると思います。

それと、1点だけちょっと山田高校で自分が心配していることがあるんですが、本当に山田高校は頑張っているんです。今月14日、高校入試のA日程で合格発表なんですが、実は受験生が減りました。普通科が88名、商業科が26名ということで、昨年は118名、30名やったんで、普通科で30名、商業科で4名減ったと、これは何なのかなとすごく残念に思っているんです。

1つ、中学校の成績が伸びた分、JRもありますから高知市内にチャレンジしたのかなと思うんです。やっぱり、山田高校の本当に残念なところなんですけれど、偏差値で見ると山田高校は低かったりするので、チャレンジといったときに、どうしても高知市内を目指してしまうというところです。だから、一、二年たった後の成果とか、企業さんは本当に山田高校の生徒が欲しいと言ってくれていて、そこのギャップがすごく問題になっているんで、またこれも、自分も答えがあるわけではないので、しっかり取り組んでいきたいと思います。

(9)ドローンの授業への活用について

次に、ドローンを活用した授業についてお聞きをいたします。現在の高校生は、我々が高校時代にはなかったあらゆる先端機器が身近なものとなっております。大きな変化としてはインターネットがありますし、スマートフォンの普及は人と人とのコミュニケーションのあり方をも変えました。また、個人的に、大きな技術革新を生み出すものとしてドローンに注目をしております。

ドローンについては、現在でもいろいろな活用が検討されていますが、課題解決先進県としては、中山間の問題や南海地震対策への活用を考えたりと、高知ならではの活用方法があるのではと感じております。香美市では4月から林業大学校が開校し、先端的な林業を学ぶ中で、山の状態、木の生育状況などを知る手段として、ドローンの活用を学ぶこととなると思います。

また、高知工科大学でドローンを活用した地域活性化の取り組みが進んでおりますし、香美市の農業法人の中にはドローンを使った農業を実践している方もいらっしゃいます。

例えば、山田高校でドローンに関することを学ぶ機会があれば、林業大学校や農業法人に興味を持って、香美市で就職したり、工科大に進学するモチベーションを生み出したりと、可能性を広げることもできるのではと考えるところです。既に山田高校では、1月にドローンに関する公開講座を実施しました。高知県の郡部の高校では、校内が飛行禁止区域というところは少なく、出前授業のような形で、まずは生徒に触れる機会をつくることから始め、将来的には、地域の課題解決にドローンを活用するという授業を、総合的な探究の時間を使って実施するということもできるのではないかと考えるところです。

そこで、高知県教育委員会として、ドローンに触れる機会を高校の総合的な探究の時間を活用するなどして実施するお考えはないか、教育長にお聞きをいたします。

○教育長(田村壮児君)
ドローンはさまざまな活用の可能性がありますので、魅力ある教育素材になり得るというふうに考えております。ドローンを学ぶことに関しましては、現在一部の工業高校において、ドローンの製作やドローンを活用した研究を行っております。また、教員の指導力を向上させるために、講演会や大学や企業の出前講座も実施をしております。

また、ドローンで学ぶ観点からは、現行の総合的な学習の時間や新学習指導要領の総合的な探究の時間において、ドローンの機能を用いてできることや、社会生活におけるさまざまな活用方法などの検討が可能となり、探究的な物の見方や考え方を身につける教材の一つとして活用できるというふうに考えております。

今後は、専門的な知識を有する外部の方々の協力も得て、ドローンを学ぶこととドローンで学ぶことの両面から各学校に情報提供するなど、ドローンを積極的に活用していきたいと考えております。

○15番(依光晃一郎君)
前向きな御答弁ありがとうございました。

(10)観光施設としての龍河洞の活性化について

最後に、今後担い手が必要になるであろう龍河洞についてお聞きをいたします。高知県のバックアップもあり、昨年株式会社龍河洞みらいが設立され、龍河洞が観光施設として高知県観光を引っ張る存在に生まれ変わるスタートが切られました。

高知県は、龍河洞の活性化について地域アクションプランにも認定し、積極的にかかわっていただいていますが、来年度以降の取り組みについて観光振興部長にお聞きをいたします。

○観光振興部長(伊藤博明君)
龍河洞の活性化については、龍河洞まちづくり協議会が昨年策定した、龍河洞エリア活性化基本計画に基づき、魅力づくり、戦略づくり、体制づくりの3つの取り組みが具体的に進められております。来年度、魅力づくりでは、通路に滑りどめを設置する本洞の安全対策や商店街のフードコートの整備が行われ、また戦略づくりでは、将来龍河洞の運営を担う人材の育成や確保、ブランドづくりを進めることとし、香美市が龍河洞エリアの振興を担う地域おこし協力隊を配置するとともに、民間のノウハウを活用したプロモーションが展開される予定です。さらに体制づくりでは、物部川DMO協議会等とも連携して、物部川流域の他の観光資源と観光クラスターを形成し、観光客の周遊促進も進められます。

こうした来年度の取り組みを支援するため、県としても必要な予算を本議会に提出させていただきました。県としましても、平成31年度以降もこうした官民協働の取り組みを積極的に支援し、龍河洞の再活性化を図ることで、高知県観光の核となるような拠点施設に磨き上げてまいりたいと考えております。

○15番(依光晃一郎君)
ありがとうございます。本当もう、龍河洞に関しては、観光振興部の皆さんに大変お世話になりましてありがとうございます。また、知事にも何回も龍河洞に来ていただいて、本当に今盛り上がっています。特に、2月にはバレンタインイベントということで、山田高校の生徒が龍河洞にかかわるというようなこともテレビで放映されたんですけれども、やっぱりその学ぶ場としても龍河洞はすごくいい場所に育っていますし、それと国が世界水準のDMOということを言っています。日本でもモデルになるんじゃないかなというふうにすごく感じていますので、ぜひとも今後とも御支援をよろしくお願いします。

退職者のお話がありまして、人生100年時代というようなこともお話しさせていただいたんですが、自分の地元にやなせたかし先生という先輩がいらっしゃいまして、もう本当に亡くなられる直前まで、94歳まで現役でやられました。

アンパンマンで有名になったわけですけれども、「それいけ!アンパンマン」のテレビが放映されたのは何歳か御存じでしょうか。実は69歳で放映が始まって、69歳から亡くなるまで第2なのか、人生が花開いたということで、本当に学び続けてやる気さえあれば生涯現役だと思いますので、退職される皆様方はこれまでの御経験を生かしていただいて、高知県の発展のためにまた御指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。

以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(浜田英宏君)
以上をもって、依光晃一郎君の質問は終わりました。以上で、議案に対する質疑並びに一般質問を終結いたします。

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