尾﨑県政と土佐経済同友会

今年の秋は、高知県知事選挙(10月29日告示11月15日投開票)である。
前回の尾﨑知事は無投票だったのだけど、今回も無投票ではないかと個人的に感じている。

さて尾﨑県政に関しては、非常に高く評価しており、春の高知県議会議員選挙においても、尾﨑県政への支持を打ち出して選挙に臨ませていただいた。

無投票当選後に高知新聞に載った記事だけど、参考までにアップしておきます。
(4、尾﨑県政への評価と知事選への対応)


以下、全文も参考までに。
1、あなたが県議会議員を目指す理由、これだけはやり抜くという公約を挙げてください。

これまで受け継がれてきた地域の伝統文化の継承が難しくなってきている。この問題を解決するため、香美市に、集落活動センターを導入するなど、集落に一定規模の人口が維持できるよう取り組み、全国に誇れる仕組み作りに尽力したい。

2、人口減少への対応、県政浮揚に向けた産業振興は大きな県政課題です。優先して取り組むべき対策を答えてください。

国の地方創生の仕組みを最大限生かした取り組み。特に地方人口ビジョンを早期に策定して、今後の人口シュミレーションを基にして、売上予測や労働力確保について詳細に分析し、利益が確保できるような支援策を農・林・商工業の事業体に実施していく。

3、県内では各種選挙で投票率が低下しています。地方政治と県内有権者の距離を縮めるにはどういう取り組みが必要だと考えますか。

政治家自らが、信頼される存在になること。そして、自らが県政に役立っているか存在意義を問いながら仕事をすること。成果を意識して知恵を出し、現場の声を行政に届ける。
情報収集活動の中で信頼関係を構築し、距離を縮めたい。

4、尾﨑正直知事は今年12月6日に2期目の任期満了を迎えます。尾﨑県政をどう評価しますか。また今秋の時期知事選にどうゆう姿勢で臨みますか。

尾﨑知事の産業振興計画が優れている点は、食品加工業など、これまで弱かった分野に、重点的に取り組んだこと。行政の縦割りを壊し、部局間の連携を強めたこと。そして幅広く意見を聞き、県民運動を生み出したこと。最上級の評価で、全力支援する。

高知新聞 4月6日朝刊


ここで私が尾﨑県政を評価する理由について書いた3つのポイント(食品加工業の振興、部局間の連携、県民運動)は、私が土佐経済同友会の地域経済活性化委員会で議論し、メンバーの皆さんと提言した提言書にルーツがある。

高知県経済活性化の方向性と活性化策に関する提言(2007年8月,PDF,883KB)

この提言は、実は尾﨑県政の1期目の公約に多くが盛り込まれている。その理由は、尾﨑知事を担いだメンバーが土佐経済同友会のメンバーであり、選挙戦までの時間が限られた中で、公約作りを迫られた際に、上記提言を参考にしたことによる。(憶測)

私は提言を出した渋谷委員長の直前の委員長で、私が委員長の時代に2年(2004年1月~2005年12月)、その後渋谷委員長になって提言を出したという経緯である。

委員長時代の2年間は、私にとって非常に鍛えられた2年間で、この時の経験が今の議員活動にも生かされているし、企業経営者の先輩方との人脈づくりにも大いに役立った。

かっこよく書いたのだけど、正直な所は地域経済の活性化という大きなテーマで、袋小路に入っていた議論を、渋谷委員長が鮮やかに提言にまとめて頂いたということである。

この時の議論のポイントは、高知県の強みを生かして、弱点を克服していくというSWOT分析である。今でも使える内容だと思うので、お時間がある方は8年ほど前の内容ではあるが見ていただきたいと思う。

提言に見える通り一次産業と周辺加工業の振興に加えて、高知県は個性が強くバラバラで議論が深まらないという弱点を、論理的に議論を進め、同友会という高知県に影響力ある方々の集まりということを生かして、合意形成に努めたということが、尾﨑知事の産業振興計画にもつながることになる。
(委員会のメンバーの何人かが、産業振興計画作成時の委員となった)

産業振興計画で中心的な役割を果たしている受田高知大学副学長は、同友会の地域経済活性化委員会で農業部門の有識者として加わって頂いたのだけど、今になって考えても素晴らしい巡り合わせであったと思う。

私は高知県の地域経済活性化の成果について、4年間の議員活動で知った現状認識を通じて、より一層議論を深め、多くの人の力が必要だと考えている。(むしろ遅々として進まないことに危機感を持っている)

「あいつがやるなら、俺は協力しない」という高知県のいごっそう気質を打ち破る横の連携と、新たな人材の掘り起こし、育成もさらに必要だと思う。また、都会への人口流出対策と、高知出身者の都会からのUターンも。

私の危機感を知ってもらう意味でも、8年前の提言を知っていただき、何が進んで、何が未だに進んでいないかの評価を、多くの方に見ていただきたいと思う。(やっているやっていないではなく、どれだけ成果を上げているかという質を)

高知県庁も今年度になり、プレイヤーである人材がいなければ物事は進まないということについて、真剣に取り組もうとしているように見える。

私自身も、高知県を未来につなげていくための県民運動を盛り上げるべく、ささやかではあるがブログを通じて、課題を克服するための議論について分かりやすくご紹介していきたいと思う。

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